あなたのポケットにスタンダードの楽譜集をソングブック12keyに移調できる楽譜アプリ「ソングブック」

Is You Is Or Is You Ain't

  • 作曲: JORDAN LOUIS
#スタンダードジャズ#ジプシージャズ
App StoreからダウンロードGoogle Playで手に入れよう
← 楽曲一覧に戻る

Is You Is Or Is You Ain't - 楽譜サンプル

Is You Is Or Is You Ain't|楽曲の特徴と歴史

基本情報

「Is You Is Or Is You Ain’t」は、サックス奏者兼シンガーのルイ・ジョーダンが作曲、ビリー・オースティンが作詞し、1944年にルイ・ジョーダン&ヒズ・ティンパニー・ファイヴ名義で発表された。軽妙なボーカルとスモール・コンボの躍動感が魅力で、当時のR&B系チャート(Harlem Hit Parade)で1位、全米ポップ・チャートでも3位を記録。恋人の気持ちを確かめる印象的なフレーズがタイトルとなり、以降ジャズ/ジャンプ・ブルースの定番曲として広く演奏されている。

音楽的特徴と演奏スタイル

中庸テンポのスウィング・グルーヴとシャッフルの跳ね感、短いリフの反復、コール&レスポンスが核。ブレイクで歌詞のパンチラインを強調する構成がステージ映えする。キーやフォームは演者により変わるが、シンプルな和声進行により即興しやすく、ホーンのユニゾン・リフやギターの4ビート・カッティングがよく用いられる。ボーカルは語り口調のブルージーな節回しで、観客とのやり取りを想定したアドリブも映える。

歴史的背景

第二次大戦期、ビッグバンドからスモール・コンボへと主流が移る中、ジョーダンはジャンプ・ブルースでダンスフロアを席巻。本作はスウィングとR&Bを橋渡しする象徴的ヒットで、のちのロックンロール誕生にも連なるビート感とユーモアを提示した。78回転盤時代の放送やジュークボックスで人気を広げ、黒人音楽とポピュラーの垣根を越えて浸透していった。

有名な演奏・録音

オリジナルのジョーダン盤はもちろん、ビング・クロスビー&アンドリュー・シスターズによる1944年の録音が広く知られる。ディナ・ワシントンほか多くの歌手・ジャズメンが取り上げ、スウィング回帰の文脈ではジョー・ジャクソン『Jumpin’ Jive』版も人気。さらに1946年のアニメ『トムとジェリー(Solid Serenade)』で印象的に用いられ、世代を超えてメロディが認知された。

現代における評価と影響

セッションの定番曲としてリードシート集に収録され、スウィング/リンディホップのイベントでも頻繁に演奏される。ボーカルとバンドの掛け合い、踊りやすいテンポ設定、短いソロ回しなど、ライブ現場に適した設計が評価され、ジャズ入門者にも親しみやすいレパートリーとなっている。広告や映像での引用例も多く、大衆文化に根づいたスタンダードといえる。

まとめ

機知に富む歌詞と跳ねるビート、コンパクトな構成が生む即効性——「Is You Is Or Is You Ain’t」は、戦中期に生まれた名曲にして、現在も色褪せないダンス・ナンバーである。原点としてジョーダン盤を押さえ、続いて各時代の解釈を聴き比べれば、ジャズとR&Bの連続性が立体的に浮かび上がるはずだ。