Joshua
- 作曲: FELDMAN VICTOR STANLEY

Joshua - 楽譜サンプル
Joshua|楽曲の特徴と歴史
基本情報
ヴィクター・フェルドマン(FELDMAN VICTOR STANLEY)作曲のインストゥルメンタル曲。1963年、マイルス・デイヴィスのアルバム『Seven Steps to Heaven』収録テイクで広く知られるようになった。フェルドマンは同作のロサンゼルス・セッションでピアノを担当。クレジット表記には揺れがあるが、本稿では作曲者欄の表記に従う。
音楽的特徴と演奏スタイル
軽快な4ビートに乗る明快なリフが核。テーマはホーンのユニゾン/ハーモニーで力強く提示され、シンプルな動機がアドリブで多面的に展開される。ハード・バップとモーダルの境界感覚を持ち、テンポは中速からアップテンポまで幅広く演奏される。アレンジ自由度が高く、セクステットやクインテットに適合。
歴史的背景
発表時期はマイルスの過渡期。新旧メンバーが入れ替わり、バンドの緊張感と推進力が増していった。ロサンゼルス録音ではフェルドマンが在籍、その後のツアーでは若手リズム隊が参加し、楽曲のテンポやニュアンスが一層鋭利に。Joshuaはその移行期を象徴するレパートリーとして定着した。
有名な演奏・録音
代表的録音は『Seven Steps to Heaven』(1963)スタジオ版。さらに1964年ニューヨーク、フィルハーモニック・ホールのライヴでは高速化した演奏が『Four & More』に収録され、定番テイクとして評価が高い。フェルドマン自身の公式録音の有無は情報不明。他演奏家の網羅的リストも情報不明。
現代における評価と影響
現在もジャム・セッションや音楽教育の現場で頻繁に取り上げられ、リズムの切れ味とモチーフ展開の訓練に適した教材として知られる。録音・編成に応じてテンポやリズムの解釈が変わるため、プレイヤーの個性を強く反映できる楽曲として評価が続いている。
まとめ
シンプルな素材から多彩な展開を生む設計、そして1963年前後のジャズ史的文脈が重なり、Joshuaは実演と鑑賞の両面で価値を持つスタンダードとなった。初めて聴くなら『Seven Steps to Heaven』、熱量を味わうなら『Four & More』を手がかりにするとよい。