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Do You Hear The People Sing?

レ・ミゼラブル

  • 作曲: SCHONBERG CLAUDE MICHEL
#映画音楽
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Do You Hear The People Sing? - 楽譜サンプル

Do You Hear The People Sing?|歌詞の意味と歴史

基本情報

Claude‑Michel Schönberg作曲。原曲は仏語版『レ・ミゼラブル』(1980)で発表され、英語詞はHerbert Kretzmerが担当(仏語詞はAlain Boublil/Jean‑Marc Natel)。劇中ではアンジョルラス率いる学生たちが蜂起を呼びかける重要曲として第1幕終盤に登場し、フィナーレ付近でリプライズされます。オリジナル・ロンドン公演は1985年開幕、以後世界各地のプロダクションで標準曲として歌われ続けています。

歌詞のテーマと意味

主題は連帯と市民の自己決定。個々の声が合流して「民衆の歌」になる過程を描き、行進曲風の4拍子とコーラスのユニゾンが共同体の力を象徴します。サビで音域を押し広げ、後半で音量と和声が積み重なる構成により、決意と希望を高揚感として体感させます。具体的行動の煽動ではなく、抑圧に抗う尊厳の宣言として機能し、作品全体の倫理的核を端的に提示します。

歴史的背景

物語の舞台は1832年のパリ六月暴動。ヴィクトル・ユゴー原作(1862)に基づき、史実の学生蜂起を下敷きに民衆の権利と不正への抵抗を描きます。楽曲自体はフランス語のコンセプト・アルバム(1980)から発展し、ロンドン(1985)で英語版が初演、ブロードウェイへも展開。この曲はフランス革命そのものではなく、ユゴーが描いた後年の出来事に結びつく点が重要で、劇構造の中で政治的目覚めを象徴します。

有名な演奏・映画での使用

代表的録音にはOriginal London Cast(1985)、10周年記念“Dream Cast”コンサート(1995)、25周年記念(2010)があり、重厚な合唱で名高いです。映画『レ・ミゼラブル』(2012)でもクライマックスを飾り、映像的スケールで再評価を獲得。学校・市民合唱や各種イベントでの斉唱など舞台外でも広く歌われ、群唱アレンジの多様さが普及を後押ししました。

現代における評価と影響

普遍的メッセージ性から、各国のデモや集会で「連帯の象徴曲」として歌われる事例が報じられてきました。参加しやすい音域、明快な和声進行、掛け合いから大合唱へと拡張する設計が公共空間での合唱に適合。ショー・チューンの枠を越えてアンセム的地位を確立しています。チャート成績は情報不明ですが、舞台音楽としての存在感と社会的浸透は極めて大きいと言えます。

まとめ

劇世界の必然と現実社会の共感が交差する稀有な楽曲。簡潔な旋律と力強い合唱書法がテーマを直截に伝え、時代や言語を越えて歌い継がれています。作品理解の要として、舞台の文脈と1832年の歴史背景を併せて捉えることで、歌詞の意味がより立体的に響くでしょう。