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About a Quarter to Nine

  • 作曲: WARREN HARRY
#スタンダードジャズ
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About a Quarter to Nine - 楽譜サンプル

About a Quarter to Nine|楽曲の特徴と歴史

基本情報

About a Quarter to Nineは、作曲WARREN HARRY(一般的にはHarry Warren)、作詞Al Dubinによる英語歌。1935年公開の映画『Go Into Your Dance』で初めて広く紹介され、のちにポピュラー/ジャズの標準曲として定着した。邦題の定訳は情報不明だが、原題は「9時15分前ごろ」を意味する。

音楽的特徴と演奏スタイル

温かい旋律線と素直な和声進行が魅力で、会話調の歌詞リズムに寄り添う中庸テンポが合う。バラードからミディアム・スウィングまで幅広く解釈でき、歌唱ではレガートと語り口のコントラスト、器楽では旋律装飾とスウィングの推進力が映える。ジャズ・スタンダードとしてセッション適性も高い。

歴史的背景

1930年代のハリウッド黄金期、Warren & Dubinの名コンビが多数の映画音楽を生み出した時期の一曲。大恐慌後の大衆娯楽需要を背景に、スクリーン発のポピュラー楽曲が広まり、本作もその流れに乗って人気を獲得した。映画のスター歌手アル・ジョルソンの力が普及に大きく寄与した。

有名な演奏・録音

映画『Go Into Your Dance』(1935)でのアル・ジョルソンの歌唱が決定版として知られる。のちに伝記映画『ジョルソン物語』(1946)関連でも取り上げられ、再評価の契機となった。以降、多くの歌手やバンドに演奏されるが、網羅的な録音一覧や各年のチャート情報は情報不明。

現代における評価と影響

グレイト・アメリカン・ソングブックを代表するナンバーとして、ボーカル・リサイタルやスモール・コンボの定番に残る。恋の高揚感を日常の時間表現で描く着想の普遍性が支持され、レトロ志向のコンサートや映画・舞台のノスタルジックな場面でしばしば選曲される点も特徴的である。

まとめ

映画発のポピュラー曲として登場し、時代を超えて歌い継がれるスタンダードへと成長した。明快なメロディと柔軟なテンポ感は、歌手にも奏者にも豊かな表現の余地を与える。初出や作者情報が明確で資料価値も高く、今後もレパートリーとして長く生き続けるだろう。