Batman Theme
- 作曲: HEFTI NEAL

Batman Theme - 楽譜サンプル
Batman Theme|作品の特徴と歴史
基本情報
Batman Themeは、作曲家ニール・ヘフティ(表記: HEFTI NEAL)による1966年のテレビシリーズ『Batman』主題曲。短いフレーズと強烈なブラス、サーフ由来のギターが核となるインストゥルメンタルで、番組のオープニングとブランドを決定づけた。録音ではコーラスが「Batman!」と掛け声を入れるが、明確な歌詞は設けられていない。
音楽的特徴と表現
基盤はブルース進行を応用した反復型リフ。エレキギター、ベース、ドラムのタイトなリズムに、トランペットやサックスの鋭いユニゾンが重なる。コール&レスポンスやブレイクの配置はヘフティのビッグバンド書法に根ざし、短時間で緊張と高揚を生む。スプリングリバーブの効いたギターと、歯切れのよいブラスのアクセントが都会的でコミック的なヒーロー像を音で描写する。
歴史的背景
1960年代半ば、テレビはカラ―化とポップカルチャーの波に乗り、主題音楽が視聴体験の鍵となった。ジャズ/ポップ両面で名を馳せていたヘフティは、即時に記憶されるフックとモダンなサウンドを結合。キャンプ調の演出と相まって、同時代のアメリカン・ポップ美学を象徴するテーマとなった。
使用された映画・舞台(該当時)
本曲はテレビシリーズのオープニングや場面転換で反復使用され、シリーズ全体の統一感を担保した。放送当時や再放送、関連映像商品でもテーマとして定着し、視聴者の記憶と直結するサウンドロゴとして機能した。劇伴の多くは別作曲家が担当したが、シリーズを象徴する旋律は本テーマである。
現代における評価と影響
現在も60年代版バットマン像を喚起する音のシンボルとして、引用・パロディ・カバーが続く。ギター主導のサーフ/ガレージ的アプローチはロック・バンドの定番レパートリーとなり、インスト・バンドによる録音も多数。The Venturesなどのカバーでさらに浸透し、広告やイベントBGMでも高い認知を維持している。
まとめ
テレビ主題曲としての即効性とジャズ由来の書法が融合した不朽のモチーフ。ブラスのキレとギターの躍動、単純明快なリフという要素が、半世紀以上にわたりヒーロー像を鮮やかに伝え続けている。