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Lyresto

  • 作曲: BURRELL KENNY
#スタンダードジャズ
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Lyresto - 楽譜サンプル

Lyresto|楽曲の特徴と歴史

基本情報

Kenny Burrell(表記: BURRELL KENNY)作曲のジャズ・インストゥルメンタル「Lyresto」は、ギターを主役に据えた小編成作品。作曲年は情報不明だが、1958年録音・1963年発売のアルバム『Kenny Burrell & John Coltrane』(Prestige/New Jazz)に収録され、そこで広く知られるようになった。歌詞は存在せず、ライブでも器楽曲として演奏される。

音楽的特徴と演奏スタイル

ハードバップ期の語法を基調とし、ブルースの語感を帯びたシンプルで歌いやすい主題と、明快なコード進行の上で展開する即興を特色とする。テンポは中速〜やや速めで、リズム・セクションがスウィングの推進力を与える。ギターのシングルノートとコード・ヴォイシングを織り交ぜたアプローチが核となり、テナーサックスやピアノとのコール&レスポンス的なやり取りが映える。調性や楽曲形式の詳細は情報不明だが、主題の簡潔さがソロの展開を際立たせる。

歴史的背景

1950年代後半のニューヨーク・シーンではハードバップが成熟し、ギターはジャズのフロント楽器として存在感を高めていた。デトロイト出身のケニー・バレルは、ブルース感覚と洗練を併せ持つ奏法で評価を獲得。Prestige系のセッションで多くの器楽曲を残し、「Lyresto」もその文脈の中で創作・録音されたと位置づけられる。作曲の正確な年は情報不明だが、時代の潮流に根ざしたギター主導のレパートリーとして受け止められている。

有名な演奏・録音

代表的な音源は『Kenny Burrell & John Coltrane』に収められたテイク。ケニー・バレル(g)とジョン・コルトレーン(ts)に加え、トミー・フラナガン(p)、ポール・チェンバース(b)、ジミー・コブ(ds)という布陣が参加し、各人の即興が凝縮されたアンサンブルを聴かせる。ギターの抑制された歌心とテナーの推進力の対比が聴きどころ。その他の公式な再録や著名カバーの網羅的情報は情報不明。

現代における評価と影響

「Lyresto」は、ギタリストがハードバップの語法を学ぶ題材として取り上げられることがあり、コンピングとメロディの両立、ソロ構築のアイデアを得やすい曲として評価される。主題の簡潔さとコード進行の明快さが、ジャム・セッションや教育現場での実践に適している点が利点とされる。演奏頻度や出版譜面の流通状況に関する統計的データは情報不明。

まとめ

ケニー・バレル作曲の「Lyresto」は、歌のないギター主導のジャズ・インストゥルメンタルとして、1950年代後半のハードバップ美学を端的に体現する一曲である。確定情報が限られる項目はあるものの、コルトレーンとの共演による代表テイクを手掛かりに、その音楽的魅力と演奏上の示唆は今も色あせない。入門者から上級者まで、アドリブ研究の素材として価値を持ち続けている。