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My Baby Just Cares For Me

  • 作曲: DONALDSON WALTER
#スタンダードジャズ
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My Baby Just Cares For Me - 楽譜サンプル

My Baby Just Cares For Me|楽曲の特徴と歴史

基本情報

ウォルター・ドナルドソン作曲、ガス・カーン作詞による1930年のポピュラー・ソング。現在はセッションの定番として親しまれるジャズ・スタンダードに位置づけられる。恋人が流行や高価な品よりも「私」を大切にすると歌う軽妙なラブソングで、洒脱なユーモアと温かさが魅力。初演の詳細は資料により異なり、ここでは情報不明とする。

音楽的特徴と演奏スタイル

ミディアム~アップのスウィングで演奏されることが多く、明快なメロディと軽快なリズムが際立つ。ピアノ・トリオではウォーキング・ベースと跳ねるコンピングがよく映え、シンガーは言葉のリズムを活かしたスキャット的ニュアンスやコール&レスポンスを加えることも多い。コード進行は親しみやすく、アドリブの入口としても扱いやすい。

歴史的背景

1930年代のティン・パン・アレー系ソングとして生まれ、ダンス・ミュージックとジャズの垣根を越えて広まった。レコード産業と映画・ラジオの隆盛がスタンダード化を後押しし、本作もバンドや歌手の持ち歌として定着。作曲家ウォルター・ドナルドソンの流麗な旋律感と、ガス・カーンの会話体の歌詞が当時の気分に合致した。

有名な演奏・録音

最も広く知られるのはニーナ・シモンの1958年録音(アルバムLittle Girl Blue収録)。端正なピアノとウッドベースのグルーヴが生む洒脱なスウィングは、後世の解釈の参照点となった。初期にはエディ・キャンターらポピュラー歌手による歌唱でも親しまれ、その後も多数のジャズ・シンガー、ピアニストが取り上げている。個々のバージョンでテンポやハーモニー処理は幅があり、スモールコンボからビッグバンドまで適応範囲が広い。

現代における評価と影響

シンプルで覚えやすい旋律、機知に富む歌詞、踊れるリズムという三拍子が揃い、ライブの空気を一瞬で和ませる名曲として評価は高い。広告やテレビ番組、ステージのオープナーなど様々な場面で用いられ、世代を超えてリスナーを獲得。教育現場でも発声・タイム感の教材として取り上げられることがあり、スタンダードとしての生命力を示している。

まとめ

親しみやすさと洗練を兼ね備えた本曲は、ジャズ入門から愛好家まで幅広く愛され続けるスタンダード。作曲の巧みさと歌詞の洒脱さ、名演の蓄積が相まって、今なお新しい解釈を生み出す余地に富む。セッションや鑑賞の定番として、プレイリストに加えておきたい一曲だ。