Hawaii Five-O Theme
- 作曲: STEVENS MORTON

Hawaii Five-O Theme - 楽譜サンプル
Hawaii Five-O Theme|楽曲の特徴と歴史
基本情報
Hawaii Five-O Themeは、テレビドラマ「Hawaii Five-O」のために作曲されたインストゥルメンタルのテーマ曲。作曲者はMorton Stevens(表記: STEVENS MORTON)。初出は1968年放送開始のオリジナル・シリーズで、以降フランチャイズの象徴的サウンドとして定着した。歌詞は存在せず、放送用のオーケストラ録音が原典。放映を通じて単独の楽曲としても知名度を獲得し、行進曲的な推進力と鮮烈なモチーフで広く親しまれている。
音楽的特徴と演奏スタイル
最大の特徴は、ブラスのファンファーレとドライブ感の強いドラムに支えられたエネルギッシュなアンサンブル。冒頭で短いモチーフを高らかに提示し、以降は明快なリフとシンコペーションを核に推進していく。オーケストラのブラス/サックスセクションが鋭く刻み、スネアを中心とするビートが緊迫感を生む。ギターやベースはリズムの骨格を補強し、ロック由来のダイナミズムとビッグバンド的な音圧が融合。短時間で印象を刻み込むための構成美が際立ち、マーチング編成やバンド・アレンジにも適応しやすい。
歴史的背景
1968年に米国で放送開始したテレビシリーズ「Hawaii Five-O」のオープニングとして誕生。犯罪捜査ドラマの緊張感と、ハワイを舞台とする開放的な映像に呼応するサウンド設計がなされ、番組ブランドの中核となった。テレビ音楽分野で活躍したモートン・スティーヴンスの代表作として位置づけられ、当時の放送文化における“覚えやすいテーマ曲”の役割を体現。後年のリブート版(2010年開始)でも原曲に基づく新録音が用いられ、世代を超えてアイデンティティを継承した。
有名な演奏・録音
番組オリジナル音源に加え、ザ・ベンチャーズによるカバーがシングルとして広く知られ、全米チャート上位に進出。サーフ/ロックの要素を前面に出したアレンジは一般リスナーへの浸透を促し、ラジオやコンサートでも定番化した。さらに、マーチングバンドやブラスバンドでのアレンジ版が数多く演奏され、スポーツイベントなどの場でも頻繁に取り上げられる。プロのオーケストラから学校バンドまで幅広くレパートリー入りし、録音・映像ともに多様なバージョンが流通している。
現代における評価と影響
今日でも“テレビ史上もっとも記憶に残るテーマ”の一つとして語られ、短い時間で世界観を提示するスコア設計の手本と見なされる。ポップスとオーケストレーションの境界を軽やかに横断したサウンドは、後続のTVテーマや広告音楽にも影響を与えた。番組の継続的な再放送や配信、リブートにより認知が維持され、ライブ現場では観客の手拍子を自然に誘発する“即効性のあるフック”として評価され続けている。
まとめ
Hawaii Five-O Themeは、モートン・スティーヴンスが生み出したテレビ音楽の金字塔。ブラスの切れと強靭なビート、覚えやすいモチーフで視聴者の記憶に深く刻まれた。1968年の誕生以来、カバーや編曲を通じて活躍の場を広げ、現在も映像音楽とポピュラー音楽の交差点に立つ代表的インスト曲である。