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Oh, What A Beautiful Mornin'

  • 作曲: RODGERS RICHARD
#スタンダードジャズ
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Oh, What A Beautiful Mornin' - 楽譜サンプル

Oh, What A Beautiful Mornin'|楽曲の特徴と歴史

基本情報

「Oh, What A Beautiful Mornin'」は、作曲リチャード・ロジャース、作詞オスカー・ハマースタインIIによる1943年のブロードウェイ・ミュージカル『オクラホマ!』のオープニング・ナンバーとして初登場した楽曲である。舞台上の静かな幕開けに、主人公のカウボーイが朝の情景を歌い、物語の空気と希望を示す。以後、舞台・映画・コンサートで広く親しまれ、ジャズ界でも取り上げられる定番曲となった。

音楽的特徴と演奏スタイル

明るい長調と伸びやかな旋律が特徴で、開放感のある跳躍とシンプルな和声が聴き手に清々しさを与える。歌詞は自然の描写と前向きな心持ちを反復し、日常の幸福感を印象づける。ジャズではミディアム・テンポのスウィングで演奏されることが多く、イントロや間奏にリハーモナイズやモーダルな展開を加える編曲も見られる。歌ものとしても器楽曲としても映える、柔軟性の高いレパートリーだ。

歴史的背景

『オクラホマ!』は音楽とドラマを緊密に結びつけた“ブック・ミュージカル”の金字塔として知られ、その革新性が後のブロードウェイ作品に大きな影響を与えた。なかでも本曲は、派手な合唱ではなく独唱で静かに幕を開ける構成で観客を物語世界へ誘う役割を担い、作品全体のトーン―楽観と開拓精神―を提示した。第二次世界大戦期という時代背景の中で、希望を象徴する歌として受け止められ、広く浸透した。

有名な演奏・録音

代表的な録音として、オリジナル・ブロードウェイ・キャストのアルフレッド・ドレイクによる音源、映画版『オクラホマ!』(1955)のゴードン・マクレーの歌唱がよく知られる。さらに、エラ・フィッツジェラルドは『Sings the Rodgers & Hammerstein Song Book』(1963)で取り上げ、ジャズ的解釈の幅を示した。以降も多数の歌手やビッグバンド/小編成による録音が存在し、世代を超えて演奏され続けている。

現代における評価と影響

今日では、ショー・チューンの名曲であると同時に、スタンダード・レパートリーの一つとして評価が定着。序曲やアンコールの一曲としてプログラムに組み込まれることもあり、コンサートやスタンダード集での採用も多い。録音や再演の継続によって新たな聴衆に届き、作品の生命力が更新され続けている。

まとめ

「Oh, What A Beautiful Mornin'」は、朝の光景を通して普遍的な希望を歌う。覚えやすく伸びやかな旋律と、解釈の余地が広い構成によって、舞台・映画・ジャズの場で息長く愛されてきた。ロジャースとハマースタインの黄金コンビを象徴する一曲として、今なおレパートリーの中心に位置づけられている。