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My Kind of Town (Chicago Is)

  • 作曲: VAN HEUSEN JIMMY
#スタンダードジャズ
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My Kind of Town (Chicago Is) - 楽譜サンプル

My Kind of Town (Chicago Is)|楽曲の特徴と歴史

基本情報

「My Kind of Town (Chicago Is)」は、作曲家Jimmy Van Heusenと作詞家Sammy Cahnの黄金コンビによる1964年の楽曲。映画『Robin and the 7 Hoods』のために書かれ、フランク・シナトラが歌って広く知られました。シカゴの魅力を讃える内容で、発表当初からアメリカン・ポップスとジャズの橋渡しをするレパートリーとして定着。以後、多くのヴォーカリストとビッグバンドが取り上げ、ジャズ・スタンダードとして今日まで演奏され続けています。

音楽的特徴と演奏スタイル

快活なスウィング・フィールとブラスの華やかなリフが核。印象的なフックを軸に、コール&レスポンス的なやり取りや大胆なブレイク、終盤に向けたダイナミクスの拡張など、ショーアップされたビッグバンド・サウンドがよく映えます。ヴォーカルは語り口の巧さが鍵で、言葉のアクセントを生かしたフレージングが効果的。アレンジでは金管のスタブとサックスのパッドを対比させ、最後に上行的な盛り上げ(転調やタギングを含む)が採用されることが多く、舞台映え・ホール映えする構造が特徴です。

歴史的背景

本曲は1960年代半ば、映画音楽とポップス、ジャズが密接に交差した文脈で生まれました。ヴァン・ヒューゼン&カーンは映画や舞台で数多くのスタンダードを生み、当作もその延長線上に位置します。公開後、都市への愛着をテーマにした歌として幅広く支持を獲得し、アメリカ文化における「シカゴ」像の表象の一つとして機能。アカデミー賞の歌曲賞にノミネートされるなど、当時から評価を集めました。

有名な演奏・録音

代表格はフランク・シナトラ。映画版の歌唱を起点に、その後のコンサートでもしばしば取り上げられ、シナトラのステージングとともに定番化しました。以降、クロスオーバー嗜好のシンガーやジャズ・ヴォーカリスト、ビッグバンドが数多く録音し、ブラスを強調した華やかなアレンジから、軽快なスモール・コンボ編成まで多彩なヴァージョンが存在。映像作品や番組で「シカゴ」を象徴する音楽として引用されることもあります。

現代における評価と影響

今日でも同曲は、ジャズ・ヴォーカルのレパートリーやシンフォニック・ポップスのコンサートで活発に演奏され、都市賛歌の代表例として親しまれています。シカゴをテーマにした文化的文脈で再登場する機会が多く、楽曲の明快なフックと前向きなトーンが世代を超えて伝播。教育現場のアンサンブルでも取り上げやすく、アレンジの自由度も評価されています。結果として、映画を起点に生まれたポップ・ナンバーがジャズの現場で磨かれ、普遍的スタンダードへと昇華した好例となりました。

まとめ

「My Kind of Town (Chicago Is)」は、映画発の名曲がジャズ・スタンダード化した典型例。華やかなブラス、快活なスウィング、記憶に残るフックが魅力で、都市の誇りと喜びをダイレクトに伝える力を持ちます。初演以降の半世紀以上にわたり、録音と上演を積み重ねることで、シカゴを象徴する歌として定着。今後もライブ現場やメディアで生き続ける、時代を超えたレパートリーです。