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My Serenade

  • 作曲: REINHARDT DJANGO
#スタンダードジャズ
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My Serenade - 楽譜サンプル

My Serenade|楽曲の特徴と歴史

基本情報

My Serenade は、ギタリスト/作曲家ジャンゴ・ラインハルト(Django Reinhardt)による器楽曲である。作曲者表記は REINHARDT DJANGO。初出年、出版社、初演情報は情報不明。歌詞は確認されておらず、一般にはインストゥルメンタルとして演奏される。ジャンルはジプシー・ジャズ(スウィング)に位置づけられ、小編成の弦楽コンボで取り上げられることが多い。

音楽的特徴と演奏スタイル

旋律はタイトルどおりセレナーデ的で、滑らかな歌心とスウィングの推進力が共存する。ラ・ポンペの四分刻みに支えられたリズム、ウォーキング・ベース、シンコペーションの対比が肝要。ソロはアルペジオやクロマチック・アプローチ、ディミニッシュや拡張コードのアウトライン化を駆使し、コード進行を立体化する。テンポやキー、構成の定型は版により異なる可能性があり、確定情報は情報不明。ヴァイオリンやクラリネットが主旋律を分担する編成も適合する。

歴史的背景

曲の美学は、1930〜40年代パリのホット・クラブ系サウンドを背景に成立した。ラインハルトはロマ(マヌーシュ)の音楽語法をアメリカン・スウィングと融合し、独自のギター表現を確立。本作もその文脈に置かれる。具体的な作曲年や初録音の詳細は情報不明だが、当時の欧州スウィングの洗練と、右手ピッキングの革新性を反映している。

有名な演奏・録音

基準となるのはラインハルト自身による自演録音で、ホット・クラブ・スタイルのコンボ(リード・ギター、ヴァイオリン、ラ・ポンペのリズム・ギター、ベースなど)で再演される例が多い。具体的な録音年、レーベル、チャート実績は情報不明。近年もジプシー・ジャズ系アーティストによりライヴやスタジオで取り上げられているが、網羅的なディスコグラフィーは情報不明。

現代における評価と影響

教育面では、メロディのフレージング、ダイナミクス設計、ラ・ポンペのアクセント配置、ダウンストローク主体のピッキングなど、ジプシー・ジャズ特有の語法を学ぶ格好の素材として評価される。抒情性と即興の自由度のバランスが良く、デュオからクインテットまで編成変更に耐える柔軟性も魅力。資料の散逸や採譜差による解釈の幅が、奏者ごとの個性化を促している。

まとめ

確定情報が限られる一方で、My Serenade はラインハルト作品らしい歌心とスウィングの美学を凝縮した一曲である。インストゥルメンタルゆえの可塑性を活かし、テンポ、キー、編成の工夫で自分の言葉として再構築できる。ジプシー・ジャズの核となる表現を体得するための、実用的かつ味わい深いレパートリーと言える。