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Rise

  • 作曲: ARMER ANDY W,ALPERT RANDY C,BADAZZ RANDY
#スタンダードジャズ
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Rise - 楽譜サンプル

Rise|楽曲の特徴と歴史

基本情報

「Rise」は、Andy W. ArmerとRandy “Badazz” Alpertが作曲し、1979年にA&Mから発表されたHerb Alpertのインストゥルメンタル・シングル。同年のアルバム『Rise』に収録され、全米Billboard Hot 100で1位を獲得。1980年のグラミー賞Best Pop Instrumental Performanceを受賞した。歌詞は存在しないため、ボーカル曲ではない。

音楽的特徴と演奏スタイル

中低速のディスコ・グルーヴに、うねるベース、16ビートのパーカッション、エレクトリック・ピアノと柔らかなシンセが重なる。Alpertの温かなトランペットがメロディを堂々と歌い、ホーンの重ねやブレイクで展開を作る。ジャズの即興性は控えめで、メロディの記憶性と艶のあるプロダクションを前面に出したポップ志向が核。12インチ版はクラブ適性が高く、フロアとラジオ双方で映える設計が見て取れる。

歴史的背景

ディスコ最盛期の終盤に誕生し、ティファナ・ブラス期のラテン風サウンドから現代的なスタジオ・プロダクションへと軸足を移した転機の一曲。A&M共同創設者でもあるAlpertが、自身のブランドとダンス・カルチャーを橋渡しし、ラジオとクラブの両輪で機能するヒット像を提示した点が重要である。

有名な演奏・録音

代表録音はHerb Alpertによるシングル/アルバム・ヴァージョンで、アルバム版は5分超、ラジオ向けのシングル・エディット、さらに12インチのロング・ヴァージョンが広く流通した。後年のライブでも頻繁に演奏される定番曲となっている。その他カバーや映像作品での使用に関する詳細は情報不明。

現代における評価と影響

本曲はサンプリング/引用の源泉としても知られ、The Notorious B.I.G.の「Hypnotize」(1997)がモチーフを採用し、新世代へとリーチを拡大した。ジャズとポップ、ディスコの交差点に立つ洗練された音像は、現在のラウンジやプレイリスト文化にも適合し、時代を超えて聴かれ続けるインストゥルメンタルの代表作として位置づけられている。

まとめ

「Rise」は、洗練されたディスコ・グルーヴと歌うようなトランペットで時代性と普遍性を両立させた名曲である。チャートと批評の両面で成功し、クラブから家庭のリスニングまで幅広い場面で機能する。歌詞に頼らず旋律とサウンド設計のみで魅了する、入門にも鑑賞にも薦められる一曲だ。