Saturday in the Park
- 作曲: LAMM ROBERT WILLIAM

Saturday in the Park - 楽譜サンプル
Saturday in the Park|歌詞の意味と歴史
基本情報
「Saturday in the Park」は、ロバート・ラム(LAMM ROBERT WILLIAM)が作曲・作詞し、米ロック・バンド、シカゴが1972年に発表した楽曲。アルバム『Chicago V』に収録され、シングルとしても大ヒットし、米Billboard Hot 100で最高3位を記録した。プロデュースはジェームズ・ウィリアム・ガルシオ。ピアノの印象的なリフとブラス・セクション(トランペット、トロンボーン、サックス/ウッドウィンズ)のアンサンブルが特徴で、バンドの「ホーン・ロック」路線を象徴する代表曲として広く知られている。
歌詞のテーマと意味
歌詞は、土曜日の公園で人々が音楽や会話を楽しむ光景をスケッチする内容で、都市の日常に宿る喜びや多文化的なにぎわいを描く。とりわけ祝祭的なムードや、路上パフォーマー、即興的な歌声の描写が生む開放感が核となり、政治的なメッセージよりも、共同体が共有する瞬間の輝きに焦点が当てられている。ロバート・ラムは、ニューヨークの公園で見た休日の情景から着想を得たと語っており、軽快なリズムとコーラス・ワークが、歌詞の“その場に居合わせる幸福感”を音楽面で補強している。
歴史的背景
1970年代初頭、シカゴはロックにジャズ的ブラスを融合させた独自性で人気を拡大していた。『Chicago V』はそれまでの大作志向からややコンパクトな編成感へ舵を切った時期の作品で、同曲の成功はバンドの商業的地位を一段と高めた。ベトナム戦争や社会的分断が色濃い時代にあって、日常の平穏と人々の共存を肯定的に描く本曲は、聴き手に“今ここ”の喜びを思い出させる存在となった。
有名な演奏・映画での使用
「Saturday in the Park」は、シカゴのコンサートで長年にわたり定番として演奏され、各種ライブ音源や映像作品にもたびたび収録されてきた。映画での顕著な使用や特定の大規模タイアップは情報不明だが、ラジオやコンサートの現場で継続的に親しまれている。
現代における評価と影響
現在でもクラシック・ロックの定番としてストリーミングやラジオで高い人気を保ち、夏の季節感を象徴する楽曲として認知されている。ピアノ主導のリフとブラスの掛け合い、軽快なグルーヴの組み合わせは、後続のポップ/ロック作品におけるホーン活用の指標となり、音楽番組や教育現場でも“ホーン・ロック”の代表例として言及されることがある。メロディの親しみやすさとアンサンブルの巧みさが、時代を超えて支持される理由だ。
まとめ
ロバート・ラムの観察眼から生まれた「Saturday in the Park」は、日常の祝祭性を鮮やかに描いたシカゴの代表曲。1972年のヒット以降、ブラスとピアノを核にした快活なサウンドは色あせず、今も都市の活気と人の温もりを伝え続ける。