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Rosetta

  • 作曲: HINES EARL
#スタンダードジャズ#ジプシージャズ
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Rosetta - 楽譜サンプル

Rosetta|楽曲の特徴と歴史

基本情報

「Rosetta」は、ジャズ・ピアニストのアール・ハインズ(Earl Hines)が作曲し、歌詞はWilliam Henri Woodeにより付されたジャズ・スタンダード。発表年は1933年とされ、当初から歌唱・器楽の双方で演奏されてきた。初演の場や初出録音の詳細は情報不明だが、スウィング期のレパートリーとして広く普及し、現在もセッションで取り上げられる機会が多い。

音楽的特徴と演奏スタイル

中庸からやや速めのスウィングで演奏されることが多く、歌いやすい旋律線と明快なハーモニーが特徴。メロディは跳躍と順次進行のバランスが良く、フレーズの収まりが自然なため、ヴォーカルでも器楽ソロでも展開しやすい。コール&レスポンスやリフを用いたアレンジとも相性が良く、ピアノのストライド〜スウィング・タッチ、ギターの4ビート・コンピング、ホーン・セクションのユニゾンなど多様なスタイルで成立する。

歴史的背景

1930年代前半、ビッグバンドが台頭するスウィング黎明期に生まれた楽曲で、ハインズの洗練されたメロディ・センスが表れている。大恐慌期という困難な時代にあってもダンスホールやラジオを通じて広まり、ダンス音楽とアートとしてのジャズ双方の文脈で受容された。初演者・初出盤や当時のチャート実績は情報不明。

有名な演奏・録音

作曲者アール・ハインズ自身によるソロ・ピアノおよび楽団名義の録音が代表例として知られる。さらに、ジャンゴ・ラインハルトとステファン・グラッペリによるスウィング・ギター/ヴァイオリンの名演は、ヨーロッパのジャズ・シーンにおける受容の象徴的な一例である。そのほか、管楽器主体のコンボやビッグバンド、ヴォーカルによる歌唱版など多彩な形で録音が重ねられてきたが、網羅的なディスコグラフィーは情報不明。

現代における評価と影響

旋律の覚えやすさとアドリブ展開のしやすさから、現在も教育現場やジャム・セッションで定番曲として扱われる。ミドル・テンポでスウィング感を磨きたい奏者、リリカルなフレージングを学びたいヴォーカリストにとって格好の教材であり、配信サービスやリイシュー盤を通じて新規リスナーにも届き続けている。作曲者ハインズの作風を知る入口としても有用だ。

まとめ

「Rosetta」は、シンプルで歌心に富むメロディと多様な編成に馴染む柔軟性を併せ持つ、スウィング期生まれのスタンダード。史資料の一部は情報不明ながら、世代や地域を超えて演奏され続ける普遍性こそが、本曲の価値を示している。