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Ruby, My Dear

  • 作曲: MONK THELONIOUS S
#コンテンポラリー
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Ruby, My Dear - 楽譜サンプル

Ruby, My Dear|楽曲の特徴と歴史

基本情報

「Ruby, My Dear」は、ピアニスト/作曲家セロニアス・モンク(クレジット: MONK THELONIOUS S)によるバラードで、ジャズ・スタンダードとして広く演奏される。初録音は1947年、コールマン・ホーキンス参加のセッション。原曲は器楽曲で、公式な歌詞の有無は情報不明だが、後年に英語詞付きの派生版も存在する。題名の由来は情報不明。

音楽的特徴と演奏スタイル

本作は緩やかなバラード・テンポで、モンク特有の間合いと硬質な和声が際立つ。旋律は簡潔ながら半音階的装飾や意外な跳躍を含み、内声の動きが陰影を与える。ピアノは厚いボイシングと余韻を生かし、即興では動機反復と休符の配置で緊張感を作る。テナーサックス主体の編成でも映える。

歴史的背景

1940年代後半のニューヨークで、ビバップが成熟するなかモンクは独自の作曲語法を確立しつつあった。本曲はその時期に位置づけられ、初期録音(1947年)とリバーサイド期の再演を経て評価が定着する。成立年や初演の詳細は情報不明だが、モダン・ジャズのバラード像に新機軸を示した一曲とみなされる。

有名な演奏・録音

代表的録音は、1947年のモンクとコールマン・ホーキンスのテイク、1957年「Monk’s Music」でのジョン・コルトレーン参加ヴァージョン。ボーカルではCarmen McRaeが「Carmen Sings Monk」でSally Swisherの詞“Dear Ruby”を歌い、新たな受容を広げた。以降、数多の演奏家が定番レパートリーとして取り上げている。

現代における評価と影響

現在も教育現場やセッションで定番教材となり、編曲題材としても人気が高い。解釈の鍵は、テーマの輪郭を保ちながら和声の張力と「間」を生かすこと。映画やドラマでの顕著な使用例は情報不明だが、ストリーミングでも聴取され続け、モンクの抒情性を体現する名曲として評価が揺るがない。

まとめ

「Ruby, My Dear」は、静謐と緊張が同居するモンク流バラードの粋を示す名曲である。1947年と1957年の録音は入口として最適で、演奏者にとっては「間」と和声感の鍛錬台、聴き手にとっては抒情の奥行きを味わう一曲となる。題名の由来や歌詞に関する確定情報は情報不明だが、その普遍的な魅力は世代を超えて受け継がれている。