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Stoney End

  • 作曲: NYRO LAURA
#スタンダードジャズ
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Stoney End - 楽譜サンプル

Stoney End|歌詞の意味と歴史

基本情報

Stoney End は、ニューヨーク出身のソングライター、ローラ・ニーロが作詞作曲したポップ・ナンバー。初出は彼女のデビュー作 More Than a New Discovery(1967年)で、ピアノを軸にした生気あふれるアレンジが特徴。のちにアルバムは The First Songs の題で再発され、同曲も代表曲として知られるようになった。

歌詞のテーマと意味

歌詞は一人称の語りで、幼少期からの重い記憶や未熟さを背負いながらも、「もう硬い行き止まり=stoney end には戻らない」という決意を描く。宗教的な語彙やゴスペル的な比喩が点在し、罪と救済、旅立ちと再生という主題が交差する。母親や家族への呼びかけが印象的で、衝動と祈りが同居する語り口が、若さの痛みと希望を同時に映し出す。ニーロ特有の転調感と加速するリズムが言葉の切実さを後押しし、短い曲ながら物語性が濃い。

歴史的背景

1960年代後半、女性ソングライターが台頭するなかで、ニーロは都会的な和声感とソウル/ゴスペルの影響を融合させた作家として注目を集めた。Stoney End はそのエッセンスを凝縮した楽曲で、複雑なコード進行と強いフックを併せ持つ。原曲は親密でラフな質感だが、同時代のポップ市場でも通用する普遍性を備え、のちの多様なカバーを引き寄せる土台となった。

有名な演奏・映画での使用

最もよく知られるのは、バーブラ・ストライサンドによるカバー。彼女は本曲をアルバム Stoney End の表題曲として発表し、シングルも全米チャートでトップ10入りのヒットを記録した。プロデュースとバンド編成により、テンポ感を強めたゴスペル・ポップとして再構築され、原曲の祈りを大合唱の高揚へと拡張している。ほかにも複数のアーティストが取り上げているが、映画やドラマでの顕著な使用については情報不明。

現代における評価と影響

今日、Stoney End はニーロ作品の入門曲としてしばしば言及され、シンガー・ソングライター史における重要曲とみなされる。若年期の視点から語られる自己再生の物語は世代を超えて共鳴し、プレイリストやラジオでも定番化。ストライサンド版と原曲のコントラストは、楽曲解釈の幅広さを示す好例として研究・批評でも引用される。

まとめ

個人的な告白を普遍的なポップに昇華させた Stoney End は、ローラ・ニーロの作家性を端的に示す一曲だ。原曲の親密さと名カバーのスケール感、その双方が楽曲の生命力を裏打ちしている。