Sunday, Monday or Always
- 作曲: BURKE JOHNNY,VAN HEUSEN JIMMY

Sunday, Monday or Always - 楽譜サンプル
Sunday, Monday or Always|楽曲の特徴と歴史
基本情報
「Sunday, Monday or Always」は、作曲Jimmy Van Heusen、作詞Johnny Burkeによる英語の恋愛バラード。1943年に公開の映画「Dixie」で紹介され、ビング・クロスビーの歌唱で広く知られるようになった。日本ではカタカナで「サンデイ・マンデイ・オア・オールウェイズ」とも表記される。初出出版社や正式な初演日、原譜の調性や楽曲形式の詳細は情報不明だが、戦時期アメリカのポピュラーソングとして親しまれ、のちにジャズ・ヴォーカルのレパートリーにも取り込まれていった。
音楽的特徴と演奏スタイル
穏やかで伸びやかな旋律線を持つバラードで、言葉が自然に旋律へ乗るバーク=ヴァン・ヒューゼンらしい作風。テンポはスロー〜ミディアムで扱われることが多く、ヴォーカルが主役のアレンジが中心。伴奏はピアノとブラシ・ドラム、ウッドベースの小編成から、ストリングスやコーラスを加えた編成まで幅広い。形式や原調に関する一次情報は情報不明だが、リフレインごとに恋の誓いを重ねる歌詞構造がフックとなり、歌心を生かす解釈が映える。インストゥルメンタルでも演奏されるが、基本的には歌ものとして認知されている。
歴史的背景
制作当時の米国ではミュージシャンズ・ユニオンによる録音ストライキ(1942–1944)の影響が大きく、オーケストラではなく合唱や最小限の伴奏での録音が増えた。本曲の代表的録音もその潮流の中で生まれ、映画公開とラジオ放送を通じて広く浸透。第二次世界大戦下の不安な時代に、日常の曜日をモチーフにした平明な言葉で永続的な愛を誓う内容は、多くの聴衆に穏やかな慰めとして受け止められた。
有名な演奏・録音
最も知られるのはビング・クロスビーの録音(1943)。オーケストラを用いない合唱中心のサウンドで、映画のヒットとともに楽曲の知名度を押し上げた。フランク・シナトラも同年に録音し、自身のバラード・レパートリーの一つとして取り上げている。その他の主だったカバーの詳細は情報不明だが、往年のクローナー系歌手やジャズ・ヴォーカリストによる演唱が散見される。映画「Dixie」での使用が初出として知られる。
現代における評価と影響
同コンビの他の名曲に比べるとセッションでの頻出度は高くないものの、グレイト・アメリカン・ソングブック由来のバラードとして一定の支持を保っている。懐古的なポップス/ジャズ企画や、ストリングス入りのヴォーカル・アルバムで再演される機会があり、シンプルで記憶に残る曜日の反復フレーズは今日でも企画公演やメディア文脈に適応しやすい。歴史的録音の再発を通じて、当時の録音環境や歌唱スタイルを知る手がかりにもなっている。
まとめ
「Sunday, Monday or Always」は、日常の時間感覚に寄り添いながら愛を誓う普遍的テーマを、滑らかな旋律で結晶化した一曲である。映画発のポピュラー・ソングとして誕生しつつ、ジャズ・ヴォーカルの文脈でも生きる柔軟性を持つ。戦時期の録音事情を映した歴史性と、現在も通用する簡潔な美しさを併せ持つ、品格あるバラードだ。