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A Swingin’ Safari

  • 作曲: KAEMPFERT BERTHOLD
#スタンダードジャズ
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A Swingin’ Safari - 楽譜サンプル

A Swingin’ Safari|楽曲の特徴と歴史

基本情報

『A Swingin’ Safari』は、ドイツの作編曲家バート・ケンプフェルト(クレジット表記:KAEMPFERT BERTHOLD)によるインストゥルメンタル作品。1962年に発表され、同年のアルバム『A Swingin’ Safari』の表題曲として広く知られる。ジャンルはイージーリスニング/ライト・スウィング系のインストで、明朗なメロディと軽快なグルーヴが特徴。初出レーベルや各国チャート順位は情報不明だが、ケンプフェルトの代表曲の一つとして定着している。

音楽的特徴と演奏スタイル

軽やかなスウィング感を軸に、ブラスと木管のユニゾン/コール&レスポンス、ヴィブラフォンやストリングスを交えた柔らかな音色設計が耳を引く。ベースはケンプフェルト作品を象徴する歯切れのよい“クナック・バス”のフィールで、軽快にリズムを牽引。メロディは明快で記憶性が高く、過度な技巧よりもアンサンブルの心地よさと躍動感に重心が置かれる。テンポは中速、明るい調性で、ラウンジからラジオまで幅広い場面に適応する汎用性を備える。

歴史的背景

1960年代初頭、欧州発のイージーリスニングは国際市場で存在感を高め、本作もその潮流の中で注目を集めた。ケンプフェルトはオーケストラ・サウンドに洗練されたポップ感覚を融合させ、後年の国際的成功へとつながる基盤を築いた作家の一人である。『A Swingin’ Safari』は、彼の編曲美学が確立していた時期の成果であり、明快で親しみやすい旋律と洒脱なリズム処理は、当時のリスナーの嗜好に合致して受け入れられた。

有名な演奏・録音

最も知られるのはBert Kaempfert & His Orchestraによるオリジナル録音。続いて、同時期に活躍したオーケストラによるカバーも複数存在し、その中ではビリー・ヴォーン楽団の演奏が広く知られている。また、本曲は1960年代の米国テレビ番組『Match Game』のテーマとして使用された例で認知が拡大した。映画での使用や個別シンクロ実績の詳細は情報不明。

現代における評価と影響

レトロかつクリーンなサウンド・デザイン、短いフレーズで耳に残る主題、そして軽快なスウィング感は、今日でもラウンジ系のプレイリストやイベントのBGMとして親和性が高い。派手なソロに頼らずアレンジの妙で聴かせる設計は、モダンなオーケストレーションや広告音楽にも通じる。イージーリスニング再評価の流れの中で、本作は“ケンプフェルト・サウンド”を象徴する手本として参照され続けている。

まとめ

『A Swingin’ Safari』は、明るい旋律と軽快なスウィング、洗練されたオーケストレーションが三位一体となった名インスト。1962年という時代性をまといながらも、用途の広いサウンドで現在も色あせない。ケンプフェルトの美学を凝縮した本曲は、イージーリスニングの入口としても、編曲の教科書としても価値ある一曲である。