Three O'Clock in the Morning
- 作曲: ROBLEDO JULIAN

Three O'Clock in the Morning - 楽譜サンプル
Three O'Clock in the Morning|楽曲の特徴と歴史
基本情報
Three O'Clock in the Morningは、ROBLEDO JULIANが作曲したワルツ。後にDorothy Terriss(Theodora Morse)による歌詞が付けられ、声楽と器楽の双方で広く親しまれてきた。3拍子の流麗な旋律を持ち、タイトルどおり深夜の余韻やロマンティックな場面に似合う曲想が特徴。出版年は情報不明だが、1920年代前半にダンス・オーケストラの定番となり、国際的なヒットへと成長した。
音楽的特徴と演奏スタイル
3/4拍子の穏やかなテンポで、カンタービレな主旋律が大きなフレーズで歌われる。ワルツとしてはゆったり目のテンポ設定が多く、レガートな弦楽やサックス・セクションが旋律を支える編成がよく用いられる。ジャズ寄りのアプローチでは、前打音や装飾音で歌心を強調しつつ、和声はシンプルで親しみやすい。歌入りでは甘美な旋律線を活かし、フレーズ末尾の溜めやルバートが表情付けの肝となる。
歴史的背景
米国のダンス文化が隆盛した1920年代、同曲はダンスホールの“ラスト・ワルツ”として定着し、夜更けの余韻を象徴する楽曲として人気を得た。フォックストロット全盛の時代にあっても、クラシカルなワルツのエレガンスを前面に押し出す点が差別化要因となり、楽譜・録音の双方で広く浸透。歌詞は恋人たちが夜通し踊り、別れ際の名残を抱く情景を描き、タイトルの時刻設定がドラマ性を高めている。
有名な演奏・録音
もっとも知られた録音の一つに、ポール・ホワイトマン楽団による演奏がある。彼の洗練されたアレンジは同曲の普及に大きく寄与し、サロン的な響きからジャズ・オーケストラへの橋渡しを示した。以後、多くのダンス・バンドや歌手が取り上げ、器楽版と歌入り版の双方でスタンダード化。国や時代を超えて録音が重ねられ、結婚式やダンス・イベントの定番レパートリーに位置づけられている。
現代における評価と影響
現在もヴィンテージ・ダンスやボールルームのレパートリーとして息長く演奏される。ジャズの枠に限らず、クラシック寄り編成や室内楽的アレンジにも馴染み、映像・舞台の“深夜”や“余韻”を演出するBGMとしても機能する。ワルツでありながら大仰になりすぎず、耳なじみの旋律で情景を喚起できる点が評価の核心。初学者のスタンダード入門曲としても扱いやすく、編曲の自由度も高い。
まとめ
Three O'Clock in the Morningは、ロマンティックな情景とダンス文化を象徴するワルツの名曲。歌入りでも器楽でも魅力が損なわれず、1920年代から今日に至るまで幅広い場面で演奏されてきた。簡潔で美しい旋律、穏やかなテンポ、そして“深夜3時”という忘れがたいイメージが、長寿命の標準曲としての地位を支えている。