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Ventura Highway

  • 作曲: BUNNELL DEWEY
#スタンダードジャズ
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Ventura Highway - 楽譜サンプル

Ventura Highway|歌詞の意味と歴史

基本情報

Americaの1972年作「Ventura Highway」は、Dewey Bunnell作詞作曲のソフトロック/フォークロック。アルバム『Homecoming』からのシングルとして発表され、米国Billboard Hot 100でトップ10入りを果たした。軽やかなアコースティック・ギターと多重コーラスが象徴的で、レーベルはWarner Bros.。現在もバンドの代表曲として広く知られる。

歌詞のテーマと意味

歌詞はカリフォルニア沿岸の風景と、若さ・自由・旅の感覚を重ね合わせる描写が中心。具体的な物語を語るより、開放感やほのかな郷愁を喚起する比喩や地名が、聴き手にイメージを委ねる構成になっている。Bunnellは、情景の記憶を核に“気分”を描くことを重視しており、言葉は意味の明確さより響きと映像性で機能する。

歴史的背景

背景には、アメリカ(バンド)の初期成功と西海岸回帰がある。英国で結成された彼らは「A Horse with No Name」でブレイクし、その勢いのまま1972年に帰国。FMラジオを中心にソフトロックが台頭する潮流のなか、アコースティック主体の音作りとハーモニーで“カリフォルニアの空気”を結晶化させたのが本曲である。

有名な演奏・映画での使用

本曲はライブでの定番として長く演奏され、ベスト盤やライヴ盤でも存在感が大きい。特筆すべきは、Janet Jackson「Someone to Call My Lover」(2001)がギター・フレーズをサンプリングした例で、メロディの普遍性を裏づけた。映画やドラマでの使用例もあるが、個別の作品名は情報不明。

現代における評価と影響

現在、「Ventura Highway」は西海岸サウンド/AORの象徴的ナンバーとして再評価が続く。ストリーミング時代にもプレイリストで定番化し、ロードトリップやチル系の文脈で新たな聴衆に届いている。煌びやかな12弦風アコースティックとタイトなリズムの対比は、その後のジャングリーなギター・ポップにも影響を与えた。

まとめ

開放的なギター、緻密なコーラス、そして情景喚起型の歌詞が三位一体となり、1970年代ソフトロックの美点を凝縮したのが「Ventura Highway」である。具体性と曖昧さのバランスが高い普遍性を生み、半世紀を経ても色あせない。Californian spiritを体現する定番曲として、今後も聴かれ続けるだろう。