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We're in the Money (The Gold Diggers Serenade)

  • 作曲: WARREN HARRY
#スタンダードジャズ
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We're in the Money (The Gold Diggers Serenade) - 楽譜サンプル

We're in the Money (The Gold Diggers Serenade) |歌詞の意味と歴史

基本情報

「We're in the Money (The Gold Diggers Serenade)」は、1933年の米国ミュージカル映画『Gold Diggers of 1933(邦題:ゴールド・ディガース1933)』の主題歌として知られるショー・チューン。作曲はWARREN HARRY(Harry Warren)、作詞はAl Dubin(アル・デュビン)。英語歌唱のポップ・スタンダードで、映画内ではジンジャー・ロジャースがコーラスとともに披露したことで広く認知された。ジャンルはショー・チューン/ポップ・スタンダード。初演年は1933年。曲のキーや公式なテンポ、楽曲長は情報不明。

歌詞のテーマと意味

歌詞は景気回復への期待感と金銭的豊かさの高揚を軽妙に表現し、キャッチーなメロディとともに“繁栄の到来”をユーモラスに歌い上げる。大恐慌の渦中にあって、観客に希望や開放感を与える役割を担い、皮肉と明るさが同居するのが特徴的。作品は、物質的豊かさを直接賛美するだけでなく、困難の時代を笑い飛ばすエンターテインメントの力を示す。映画では場面転換の勢いを生み、群舞やコーラスが祝祭的ムードを拡大。言葉遊びの妙や軽快なリズムが相まって、耳に残るフックを形成している。

歴史的背景

1933年は世界恐慌からの立て直し期で、音楽・映画産業は観客に現実逃避と希望を提供する役割を強めた。ワーナー・ブラザース製作の『ゴールド・ディガース1933』は、華麗な群舞と洗練された音楽演出で知られ、この曲はその象徴的ナンバーとして機能。豪華なレビュー形式の中で、経済的困難を抱える登場人物たちの機知や逞しさをポジティブに描く文脈に組み込まれた。作曲のHarry Warrenと作詞のAl Dubinの黄金コンビは、この時期に数々のヒットを生み、ブロードウェイ的洗練とハリウッド的スケールを結び付けた。

有名な演奏・映画での使用

代表的なのは映画『ゴールド・ディガース1933』でのジンジャー・ロジャースによる歌唱。華やかな合唱・群舞とともに“景気回復の賛歌”として印象づけられた。以降、この曲は豊かさや金銭的成功を示すシンボリックな楽曲として、映画やテレビ、舞台で頻繁に引用されてきた(個別の作品名・録音の網羅は情報不明)。ビッグバンド編成やジャズ・コンボによるアップテンポのアレンジ、ショー・クワイアによるコーラス版など、多様なスタイルで演奏されることも多い。

現代における評価と影響

「We're in the Money」は、1930年代ミュージカル黄金期の代表的スタンダードとして定着し、景気・富・成功を端的に表現する“音のアイコン”として今日まで引用され続ける。軽快な旋律と明快なメッセージ性は、広告やエンタメ文脈での即時的な連想喚起に適しており、時代を超えて機能している。また、社会不安の時代に成立したエンターテインメントの役割を示す教材的価値も高く、映画史・音楽史双方の観点から研究対象となっている。

まとめ

1933年の映画から生まれた本曲は、明るい旋律とウィットに富む歌詞で、困難な時代に希望をもたらしたショー・チューンの古典。映画的演出との相乗効果で記憶に残るナンバーとなり、今日まで“豊かさ”の代名詞として引用され続ける。作曲WARREN HARRY(Harry Warren)、作詞Al Dubinという名コンビの実力を示す一曲である。