あなたのポケットにスタンダードの楽譜集をソングブック12keyに移調できる楽譜アプリ「ソングブック」

Heart

Alone

  • 作曲: KELLY THOMAS F,STEINBERG WILLIAM E
#洋楽ポップス
App StoreからダウンロードGoogle Playで手に入れよう
← 楽曲一覧に戻る

Alone - 楽譜サンプル

Alone|歌詞の意味と歴史

基本情報

「Alone」は、作曲・作詞をKELLY THOMAS F(トム・ケリー)とSTEINBERG WILLIAM E(ビリー・スタインバーグ)が手がけたポップ・ロックのパワーバラード。初出はソングライター自身のユニットi-Tenによる1983年録音。その後、1987年にHeartがアルバム『Bad Animals』で取り上げ、世界的ヒットとなった。プロデュースはロン・ネヴィソン。端正なピアノ導入から劇的に盛り上がる構成と、アン・ウィルソンの圧倒的なボーカルが決定版として知られる。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、孤独と切実な渇望を核に、打ち明けられない想いが胸中で膨らむ心情を描く。主体は外向きの強さと内なる脆さの間で葛藤し、距離を縮める勇気を求めながらも踏み出せない。サビでは、相手への到達不能感と自己防衛の葛藤が緊張感を生み、旋律の上昇とともに感情が解放される。結果として、80年代的なロマンティシズムと現代的な自立の視点が共存する、普遍的なラブソングとして機能している。

歴史的背景

ケリー&スタインバーグは「Like a Virgin」「True Colors」などで知られる名コンビ。本曲はi-Tenで世に出たのち、1984年のテレビドラマ『Dreams』でも歌われ、最終的にHeartによって再解釈された。1987年版は米Billboard Hot 100で3週連続1位、英国でも上位に入り、グループの代表曲に。アリーナ志向の音作りとシンセ/ギターのレイヤーは当時のロック/ポップ潮流と合致し、メインストリームへ強く浸透した。

有名な演奏・映画での使用

代表的な演奏はHeartによるオリジナル・アルバム版と各種ライヴ。後年はセリーヌ・ディオン(2007年『Taking Chances』)など多くの歌手がカバーし、ボーカル技巧を競う定番曲となった。テレビ番組での歌唱例も多い。一方、劇映画での顕著な使用については情報不明。ミュージック・ビデオはMTV時代に高回転でオンエアされ、楽曲の認知拡大に寄与した。

現代における評価と影響

今日では“80年代パワーバラードの象徴”として語られ、配信時代でもプレイリスト常連。カラオケやオーディション番組での挑戦曲としても人気が高い。曲構成は静から動へのダイナミクス、サビでの頂点設計、間奏のギター/シンセの呼応など、後続のバラード作法に影響を与えた。ソングライター・デュオの職人的メロディ運びは、時代を超える普遍性の典型例として評価されている。

まとめ

「Alone」は、緻密なソングライティングと劇的なアレンジ、そして名唱が結晶した一曲。孤独と渇望という普遍テーマを強靭なメロディで描き、1980年代の美学を代表しながらも色褪せない。出自(i-Ten)から決定版(Heart)までの変遷は、名曲が最適な解釈者を得て開花するプロセスを示している。映画での使用は情報不明だが、音楽史的存在感は揺るがない。