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The Human League

Don't You Want Me

  • 作曲: CALLIS JO,CALLIS JOHN WILLIAM,OAKEY PHILIP,WRIGHT PHILIP ADRIAN,WRIGHT ADRIAN
#洋楽ポップス
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Don't You Want Me - 楽譜サンプル

Don't You Want Me|歌詞の意味と歴史

基本情報

1981年に英バンド、ヒューマン・リーグがアルバム『Dare』から発表したシングル。作曲・作詞はJo Callis、Philip Oakey、Adrian Wright。男女デュエットの掛け合いが特徴で、UKシングルチャートでクリスマス週の1位、翌年には米Billboard Hot 100でも1位を獲得した世界的ヒット。シンセサイザー主導のポップ・サウンドで、レーベルはVirgin Records。

歌詞のテーマと意味

物語は別れ話をめぐる男女の視点が交互に語る構成。かつての「育てる側」と「育てられた側」という力学が崩れ、女性の自立と男性のプライドがせめぎ合う。相手への未練と自己正当化が同時に現れるため、甘美さと緊張感が共存。タイトルの呼びかけは、所有ではなく関係の再確認を求めるフレーズとして機能し、80年代的な成功神話へのアイロニーもにじむ。

歴史的背景

80年代初頭の英国ニュー・ウェイヴ/シンセポップ隆盛の中で制作。プロデューサーはMartin Rushent。機械的なビートに端正なメロディを重ねる設計が当時の最先端感を体現した。シングル化には当初慎重だったと伝えられるが、結果的にバンド最大の成功作となり、Dare自体も英ポップ史を象徴するアルバムとして評価を確立した。

有名な演奏・映画での使用

本作はクラブやスタジアムのアンセムとして長年親しまれ、数多くのアーティストがカバーやリミックスを発表。映画やテレビ、CMなど映像作品での使用例も多いが、本稿で特定の作品名を裏付ける一次情報は情報不明。ミュージック・ビデオはフィルム撮影の現場を模した設定で、シネマティックな演出が曲のドラマ性を補強している。

現代における評価と影響

男性と女性のダブル・ヴォーカル、ミニマルなシンセの反復、覚えやすいフックという設計は、のちのエレクトロポップやダンス・ポップの定型に。プレイリスト時代でも再生数を伸ばし、カラオケやDJの定番として定着。80年代回顧の文脈だけでなく、ジェンダーの力学を描くポップ・ソングの先駆例としても再評価が進む。

まとめ

Don't You Want Meは、電子的質感と人間関係の機微を融合させたシンセポップの金字塔。時代を画したヒットであると同時に、現在もフロアと日常の双方で機能し続ける普遍性を備える。曲名をめぐる問いは、別れの歌でありながら関係性の再定義を迫るものとして、今なお鮮やかに響く。