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The Cure

The Love Cats

  • 作曲: SMITH ROBERT JAMES
#洋楽ポップス
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The Love Cats - 楽譜サンプル

The Love Cats|歌詞の意味と歴史

基本情報

「The Love Cats」は、英国ロックバンドThe Cureが1983年に発表したシングルで、作曲・作詞はフロントマンのロバート・スミス(SMITH ROBERT JAMES)。後にシングル集「Japanese Whispers」に収録され、同バンドにとって初の全英トップ10入りを果たした代表曲として知られる。公式表記は“The Lovecats”と綴られることも多い。歌詞を伴うポップ曲だが、編曲にはジャズ由来の語法が取り入れられ、軽快なスウィング感とユーモアのあるサウンドが特徴的である。レーベルや細部の制作クレジットの一部は情報不明。

歌詞のテーマと意味

歌詞は「猫」をモチーフとした比喩を用い、気まぐれで掴みどころのない恋の機微を描く。戯けた語り口や擬音的なフレーズ、素早く身軽に動く猫のイメージが、関係の一過性や軽やかな誘惑のムードを強調。愉快さの裏側に、どこか距離を置いた視線や醒めたユーモアがあり、恋の陶酔と醒めを同時に映し出す構図が印象的である。具体的な人物像やストーリーを固定しないため、多義的解釈を許し、聴き手が自ら経験に引き寄せて意味づけできる点が長く支持される理由となっている。

歴史的背景

発表当時のThe Cureは、『Pornography』期のダークな音像からポップ寄りの実験へと振れ幅を広げていた時期で、本作は「Let’s Go to Bed」「The Walk」と並ぶ転換期のシングルに位置づけられる。ジャズ風味のアレンジ、跳ねるリズム、ダブルベース風の音色やピアノの装飾が、ニューウェーブの文脈に新味をもたらし、バンドの多面性を広く示した。英国チャートで商業的成功を収めたことは、オルタナ的な美学と大衆的ポップセンスの両立が可能であることを証明し、その後のヒットへの地ならしにもなった。

有名な演奏・映画での使用

本作はライブで取り上げられる機会があり、演目に加わると会場の空気を軽やかに転換させるナンバーとして機能してきた。ティム・ポープが監督したミュージックビデオが制作され、奇抜で洒脱な映像美は楽曲のユーモアとスウィング感を視覚的に補強している。映画やドラマでの顕著な使用例については情報不明。カバーや編曲版も存在するが、網羅的なリストや主要バージョンの決定的な情報は情報不明である。

現代における評価と影響

「The Love Cats」は、ニューウェーブの枠内でジャズの語感を取り込んだポップソングの成功例としてしばしば言及される。陽気さとアイロニーを両立する筆致、耳に残るフック、軽快なリズム処理は、後続のインディ・ポップ/オルタナ系アーティストにも参照されてきた。バンドのベスト盤に収録され続けている事実は、カタログ内での重要度を裏づける。今日でもDJセットやプレイリストで機能しうる普遍性を備え、入門曲としても適していると評価されることがある。

まとめ

猫の比喩で恋の気まぐれを描き、ジャズ風アレンジで軽やかに弾む「The Love Cats」。1983年という転換点において、The Cureの多彩さとポップ・センスを示した一曲であり、キャリア初の大きな商業的成功にも結びついた。映像と音の相互補完も含め、今なお新鮮な魅力を放つ名曲である。映画使用などの詳細は情報不明だが、楽曲自体の独自性と影響力は揺るがない。