(Something Inside) So Strong
- 作曲: SIFFRE LABI

(Something Inside) So Strong - 楽譜サンプル
(Something Inside) So Strong|歌詞の意味と歴史
基本情報
1987年に発表されたLabi Siffreの代表曲で、アルバム『So Strong』に収録。作詞・作曲は本人。ゴスペルの高揚感を取り入れたポップ・バラードで、力強いコーラスとシンプルなメロディが魅力。イギリスのシングルチャートで上位に入り、テレビやラジオで広く親しまれた。タイトルが示す通り“内なる強さ”を主題に据え、個人の尊厳を讃えるアンセムとして位置づけられる。
歌詞のテーマと意味
歌詞は、差別や抑圧に直面しても自らを貶めない決意を掲げる内容。相手の不当さを告発しながらも、復讐ではなく尊厳の保持へと聴き手を導く点が特徴的だ。反復されるフレーズが自己肯定と連帯のメッセージを増幅し、ソロとコーラスの呼応が「声を合わせること」の象徴として機能する。直接的な暴力表現を避けつつ、揺るぎない抵抗の意思を明確に伝える。
歴史的背景
1980年代の世界では南アフリカのアパルトヘイトが国際問題化し、人権をめぐる議論が高まっていた。作者は人種差別や同性愛差別への抵抗を軸に本作を創作したことで知られ、曲は当時の社会的空気と響き合った。宗教的情感をもつゴスペルの語法を借りることで、公民権運動の系譜に接続し、個人的経験を普遍的メッセージへと架橋している。
有名な演奏・映画での使用
本作は多くの合唱団、学校やコミュニティの合唱ステージ、チャリティ公演で繰り返し取り上げられてきた。著名アーティストによるカバーも複数存在し、社会運動の集会や募金キャンペーンのテーマ曲として歌われる例が多い。映画での顕著な使用については情報不明だが、テレビ放送や生中継イベントでの演奏機会は多い。
現代における評価と影響
ストリーミング時代に入り、励ましのプレイリストやプロテスト・ソング特集で再発見が進む。ブラック・ミュージックとポップスを横断する編曲は、現代のゴスペル・ポップにも通じ、合唱アレンジの定番教材としても浸透。メッセージ性の強さと歌いやすい旋律の両立により、世代や国境を超えて歌われ続ける“市民のアンセム”として評価が定着している。
まとめ
(Something Inside)So Strongは、個の尊厳を守る覚悟を普遍的な言葉と高揚感あるサウンドで結晶化した名曲である。社会的文脈に根差しながらも、誰の人生にも響く内的な強さを呼び起こす。詳細な映画使用や受賞歴は情報不明だが、合唱や公共の場で歌い継がれてきた事実が、作品の寿命と普遍性を雄弁に物語っている。