A-Ha
The Sun Always Shines On TV
- 作曲: WAAKTAAR PAL

The Sun Always Shines On TV - 楽譜サンプル
The Sun Always Shines On TV|歌詞の意味と歴史
基本情報
『The Sun Always Shines On TV』は、ノルウェーのバンドa-haが1985年に発表したシングルで、デビュー作『Hunting High and Low』に収録。作曲はWAAKTAAR PAL(ポール・ワークター=サヴォイ)。軽快なシンセと力強いドラムを軸に、ドラマティックな展開を持つシンセポップ/ニューウェーブの代表曲である。英国チャートで1位を獲得し、国際的な成功を決定づけたナンバーとして位置づけられる。バンドの洗練されたメロディセンスと、80年代中期の音作りを象徴する厚みのあるサウンド・レイヤーが魅力だ。
歌詞のテーマと意味
タイトルに示される「テレビに映る世界は常に輝いて見える」という比喩が核にあり、メディアが作り出す理想化された輝きと、現実の不安や孤独とのギャップが描かれる。主人公は触れ合いと確かな実感を求めながらも、眩い映像的な光に自らも飲み込まれていくような感覚に揺れる。表面的な幸福像と内面の空白を対置することで、名声や注目の裏側に潜む感情の陰影を提示。激しく高揚するサビと内省的なヴァースのコントラストが、歌詞の二面性を音楽的にも強調している。
歴史的背景
1980年代半ばはMTVを中心に映像と音楽が強く結びついた時代で、a-haも視覚表現とサウンドの統合で注目を集めた。本曲は『Take On Me』に続く大ヒットとして位置づけられ、バンドが単発の成功にとどまらないことを示した。煌びやかなシンセとアリーナ・スケールのダイナミクスは、当時のポップ・プロダクションの最先端を反映。アナログとデジタルの質感が交差する音像は、80年代中期の録音美学を象徴している。
有名な演奏・映画での使用
ミュージックビデオは教会を舞台にマネキンが佇む不穏で演劇的な映像美で知られ、楽曲の「眩さと疎外」のテーマを視覚的に増幅した。テレビ番組でのパフォーマンスやツアーでも定番曲として扱われ、ライヴではサビの大合唱が起きることが多い。カバーやリミックスも複数存在し、ジャンルを越えて再解釈が続く。一方、映画での具体的な使用情報は情報不明。
現代における評価と影響
今日では、a-haの代表曲の一つとして、また80年代シンセポップの完成度の高い実例として語られることが多い。『Take On Me』の軽快さに対し、本曲はよりシリアスで荘厳なムードを帯び、バンドの表現幅を示した点が評価される。ストリーミング時代においてもプレイリストや80年代回顧企画で頻繁に取り上げられ、当時の音色や構成が新世代のリスナーにも再発見されている。
まとめ
『The Sun Always Shines On TV』は、煌めくメディア像と現実の乖離を、重層的なシンセと劇的な構成で描き切った名曲である。1985年の発表以来、英国での栄冠と国際的支持を得て、a-haの芸術性と時代性を象徴する存在となった。映像表現との親和性も高く、80年代ポップの美学を今に伝える1曲として聴き継がれている。