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At the Devil's Ball

  • 作曲: BERLIN IRVING
#ジプシージャズ#スタンダードジャズ
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At the Devil's Ball - 楽譜サンプル

At the Devil's Ball|歌詞の意味と歴史

基本情報

At the Devil's Ballは、作曲家アーヴィング・バーリン(Irving Berlin)が手がけた初期ティン・パン・アレー期のコミカルな流行歌。作曲者自身が作詞も担ったとされ、1913年発表の作品として広く知られています。軽快なダンスの律動と明快なメロディ、情景の浮かぶ語り口が特徴で、当時のダンスホールや家庭での弾き語り向けに楽譜が普及しました。地獄を舞台とする奇想天外な舞踏会を題材に、軽妙なエンターテインメントとして親しまれてきた一曲です。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、語り手が「悪魔の舞踏会」に招かれたという設定で進行します。炎や悪魔、亡者といった不気味なモチーフを恐怖ではなくユーモアに転化し、社交ダンスの熱狂を風刺的に切り取るのが肝。地獄の主催者=デビルが洒脱なホストとして描かれ、時に上流社交界の会話や流行の踊りをもじる表現が登場します。全体としては道徳的教訓を説くより、滑稽さと逆説的な明るさで聴き手を楽しませるノヴェルティ・ソングの典型といえます。歌詞の全文はここでは掲載しません。

歴史的背景

1910年代のニューヨークでは、ティン・パン・アレーの作曲家がこぞってダンス・クレイズ(フォックストロット、ワンステップ等)に呼応した楽曲を量産しました。バーリンはその中心的存在で、覚えやすい旋律と機知に富む言葉運びで人気を獲得。本曲は、ラグタイム以後のシンコペーション感覚を踏まえつつも、歌の面白さで聴かせる構図にあり、コミック・ソングとダンス・ナンバーの境界を軽やかに横断する当時のポピュラー音楽の傾向を体現しています。

有名な演奏・映画での使用

発表当時から複数のSP盤録音が制作されたことが示唆されますが、特定の代表的テイクやチャート実績などの詳細は情報不明です。映画や舞台での顕著な使用例についても情報不明。ただし、初期アメリカ流行歌を扱うアーカイブや復刻盤の文脈で取り上げられることがあり、古い録音やデジタル化された楽譜資料が公開されている例も見られます(具体的所蔵先は情報不明)。

現代における評価と影響

今日では、アーヴィング・バーリンの初期を示すノヴェルティ曲の一つとして、音楽史・大衆文化史の文脈で参照されます。ラグタイムからジャズ前夜のポピュラーへと橋渡しする資料的価値が高く、レトロ・レビューやトラディショナル系の演奏会で取り上げられることもあります。奇抜な題材と踊れる律動を両立させた書法は、後続のコミック・ソングやミュージカル・ナンバーにも通じる手法として評価されています。

まとめ

At the Devil's Ballは、機知に富む歌詞とダンス志向の軽快さを兼ね備えた、1910年代ティン・パン・アレーの精髄。地獄の舞踏会という大胆な設定で社交ダンス文化を戯画化し、当時の耳目を引きました。具体的なヒット録音や映像使用の情報は不明ながら、バーリンの多才さと時代性を映す小粋な一篇として、研究・再演双方の場で価値を保ち続けています。