At the Jazz Band Ball
- 作曲: LA ROCCA D JAMES,EDWARDS EDWIN B,SHIELDS LARRY,RAGAS H W,

At the Jazz Band Ball - 楽譜サンプル
At the Jazz Band Ball|楽曲の特徴と歴史
基本情報
「At the Jazz Band Ball」は、初期ニューオーリンズ由来の伝統的ジャズで広く演奏される代表曲。作曲クレジットは LA ROCCA D JAMES, EDWARDS EDWIN B, SHIELDS LARRY, RAGAS H W, に帰される。初出年や出版情報は情報不明。一般にはインストゥルメンタルとして知られ、歌詞付きの定着版は情報不明。タイトルが示す通り“ジャズ・バンドの舞踏会”の熱気を音楽で描き、セッションやフェスで定番曲として扱われる。
音楽的特徴と演奏スタイル
軽快なテンポと二拍子の推進力、フロントラインの集団即興(コルネット/トランペット、クラリネット、トロンボーン)が核。テーマ提示の後、各コーラスでアドリブを重ね、ブレイクやストップタイムを挟んでクライマックスへ向かう。リズム・セクションはバンジョー(またはギター)、ピアノ、チューバ/ベース、ドラムが土台を作り、前のめりのスウィング感とダンス性を強調する。旋律は覚えやすく、コール&レスポンス的処理も映える。
歴史的背景
この曲は、録音草創期にジャズを世界へ広めたオリジナル・ディキシーランド・ジャス・バンド(Original Dixieland Jass Band)と結び付けて語られることが多い。彼らのレパートリーにより、ニューオーリンズ起源のアンサンブル美学が一般に浸透した。発表年や初録音の詳細は情報不明だが、1910年代後半〜1920年代のダンス・ホール文化と密接に関係し、社交ダンスの現場で人気を得たとされる。
有名な演奏・録音
ODJBによる録音が広く知られるほか、コルネット奏者ビックス・バイダーベックの名演も愛聴されている(録音年・盤番号は情報不明)。その後もエディ・コンドン系の伝統派からニューオーリンズの地元バンドまで、多数のアーティストが取り上げ、編成やテンポを変えた多彩な解釈が生まれた。特定の映画やテレビでの使用については情報不明。
現代における評価と影響
現在もトラディショナル・ジャズのスタンダードとして定着し、ジャズ・フェスやジャム・セッションで頻繁に演奏される。教育現場では、初期ジャズに特有の集団即興、二拍フィール、テイルゲート・トロンボーンの役割を学ぶ教材として格好の題材。明快なテーマとダンス性は、世代や国境を越えて親しまれ続けている。
まとめ
「At the Jazz Band Ball」は、踊れる推進力とアンサンブルの熱気を凝縮した初期ジャズの象徴的レパートリーである。細部の来歴に情報不明点はあるものの、数多の録音と現場での継承により価値が裏づけられ、今なおステージを活気づける定番曲として生き続けている。