アーティスト情報なし
Struttin' With Some Barbecue
- 作曲: ARMSTRONG LILLIAN HARDIN

Struttin' With Some Barbecue - 楽譜サンプル
Struttin' With Some Barbecue|楽曲の特徴と歴史
基本情報
本作はリル・ハーディン・アームストロング作曲のジャズ・スタンダード。初出はルイ・アームストロング&ヒズ・ホット・ファイヴによる1927年録音として知られ、基本はインストゥルメンタルで演奏される。後年に歌詞付き版も存在するが、作詞者の確定情報は公的資料で統一されておらず情報不明。曲名が示すように“胸を張って闊歩する”明るいムードを持ち、小編成コンボの定番レパートリーとして世界的に親しまれている。
音楽的特徴と演奏スタイル
軽快に胸を張って歩く“Struttin’”のニュアンスを、スウィングする2ビート〜4ビートの推進力で描く。前半のユニゾン/ハーモニーと即興ソロの対比、シンコペーション、ブレイクのキメが聴きどころ。トランペットやクラリネット、トロンボーンのポリフォニックな絡み合いに加え、ピアノとリズム隊がバウンス感を支える。テンポ設定は中速から速めまで幅広く、アドリブの構築力とアンサンブルの呼吸が問われる。
歴史的背景
1920年代後半、シカゴに拠点を移したアームストロングは小編成録音で革新的な即興美学を提示。本曲もその潮流の中で生まれ、ソロ表現の飛躍と整ったアレンジの両立が示された一例とされる。作曲者リル・ハーディンはピアニスト/編曲者としてバンドの音楽的方向性を牽引し、テーマの覚えやすさと演奏効果の高さを両立させる筆致で、後続のトラディショナル・ジャズ曲に影響を与えた。
有名な演奏・録音
オリジナルのホット・ファイヴ版は、軽妙なテーマ提示と躍動的なソロが魅力として語り継がれる。以後、アームストロング自身のオールスターズ時代のライブでも定番となり、バンドの看板ナンバーとして頻繁に演奏された。さらに世界各地のトラディショナル・ジャズ・バンドがレパートリーに採用し、スタジオ/ライブ双方で多様なテンポや編成解釈による録音が数多く残っている。
現代における評価と影響
今日では入門者から熟練者までが取り組む教材的レパートリー。キャッチーな主題、リフの組み立て、合奏内の対話、コーラス構成の作り方など、ジャズ演奏の基礎を学ぶのに適している。ビッグバンド向けのアレンジや小編成での自由度の高い解釈にも耐え、教育現場、ワークショップ、ジャム・セッションで継続的に演奏される標準曲として評価が定着している。
まとめ
Struttin' With Some Barbecueは、歌心あふれる主題と躍動するリズムで初期スウィングのエッセンスを凝縮した名曲。歴史的録音に根ざしながら、現代の舞台でも色褪せない普遍性を示す。アンサンブルと即興の妙味を体感できる一曲として、リスナーにも演奏家にも長く愛され続けている。