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Chimes Blues

  • 作曲: OLIVER JOE KING
#スタンダードジャズ#ジプシージャズ
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Chimes Blues - 楽譜サンプル

Chimes Blues|楽曲の特徴と歴史

基本情報

Chimes Bluesは、作曲者OLIVER JOE KING(ジョー“キング”・オリヴァー)によるインストゥルメンタルのジャズ・ブルース。一般に12小節形式を基調とし、歌詞は伝承されていないため情報不明。1923年、キング・オリヴァー率いるCreole Jazz Bandの録音で広く知られた。タイトル“Chimes”の由来は情報不明。

音楽的特徴と演奏スタイル

ニューオーリンズ由来の集団即興を核とし、コルネット、クラリネット、トロンボーンがポリフォニックに絡むのが特徴。12小節ブルースにブレイクやコール&レスポンスを織り交ぜ、各パートが短いリフで会話する。テンポは中庸、ブルーノートとスライド奏法が表情を作る。

歴史的背景

1920年代初頭、ニューオーリンズの演奏家はシカゴへ移動し、クラブやダンスホールで新しいジャズを育てた。キング・オリヴァーのクレオール・ジャズ・バンドはその中心で、1923年にゲネット・レコードで一連の録音を残す。Chimes Bluesもその流れで記録され、当時のアンサンブル美学を示した。

有名な演奏・録音

最も著名なのは1923年のクレオール・ジャズ・バンド録音で、若きルイ・アームストロングの記録上初期のソロが聴ける曲としてしばしば言及される。以後、トラディショナル系やリバイバルのバンドがレパートリーに採用し、復刻盤や配信でも容易にアクセスできる。

現代における評価と影響

今日では、初期ジャズを学ぶ教材曲の一つとして位置づけられ、集団即興のバランスやブルース語法を体感する好例とされる。アームストロングの初期スタイルや二管の呼応に宿るスウィング感を確認できる点も評価され、研究・演奏の双方で参照され続けている。

まとめ

Chimes Bluesは、シンプルな形式に初期ジャズの美学を凝縮した重要作。作曲者OLIVER JOE KINGの手腕と合奏力、そして若き才能の萌芽が一体となり、今も聴き継がれる理由を示している。入門にも再発見にも適した一曲だ。