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Sunday Kind Of Love

  • 作曲: BELLE BARBARA, LEONARD ANITA, PRIMA LOUIS, RHODES STANLEY WAYNE
#スイング#スタンダードジャズ
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Sunday Kind Of Love - 楽譜サンプル

Sunday Kind Of Love|楽曲の特徴と歴史

基本情報

Sunday Kind Of Loveは、BELLE BARBARA、LEONARD ANITA、PRIMA LOUIS、RHODES STANLEY WAYNEの共作による1940年代の名曲。発表は1946年とされ、ジャズとポップの両領域で歌い継がれるスタンダードとして定着している。日曜の穏やかさに象徴される“安らげる愛”を求める心情を歌い、戦後アメリカのリスナーに広く受け入れられた。スローからミディアムのテンポで演奏されることが多く、バラードとしての表情を持ちながら、R&Bやドゥーワップ解釈にも相性が良い作品である。

音楽的特徴と演奏スタイル

多くの演奏で4拍子のスロー〜ミディアムで扱われ、冒頭でルバート気味のイントロを置き、メロディをたっぷり歌い上げる構成が一般的。ホーンやストリングスを配したジャズ・バラード編成では、メロディの滑らかなレガートとハーモニーの甘美さが映える。一方、R&Bやドゥーワップではバックコーラスのブロック・ハーモニーが情感を増幅し、ビートを前に出すアレンジで切ない歌詞にソウルフルな説得力を与える。キーは歌手の声域に合わせて可変、終盤で半音上げの転調を行うバージョンも多い。歌詞は“一夜の恋”ではなく“永く続く愛”を求める内容で、フレーズの余白を活かした表現が聴きどころとなる。

歴史的背景

第二次世界大戦直後、アメリカのポピュラー音楽はビッグバンドからスモールコンボ、そしてヴォーカル主導へと重心が移る時期にあった。Sunday Kind Of Loveはその潮流の中で、ダンス・バンド由来の洗練と、戦後の人々が求めた安定と癒しの感情を結び付けた作品として存在感を示した。ラジオ放送やシート・ミュージック流通を通じて広まり、ジャズ・クラブから家庭のレコード・プレイヤーまで、多様な場で楽しまれた。

有名な演奏・録音

この曲は数多くの名歌手・グループに取り上げられている。ジャズではエラ・フィッツジェラルド、ポップ/R&Bではエタ・ジェイムズが代表的で、いずれも楽曲の普遍性を示す決定的な解釈として知られる。ルイ・プリマによる録音は作家陣の一人としての関与を踏まえた説得力があり、ドゥーワップの名門ザ・ハープトーンズも名演を残した。アレンジは年代やジャンルにより大きく異なるが、いずれもメロディの柔らかさと切実な語り口を核に据えている点が共通する。

現代における評価と影響

今日でもジャズ・ヴォーカルの定番レパートリーとしてレッスンやライブで頻繁に取り上げられ、ポップやソウルの文脈でも新録が続く。広告やドラマへの起用例はあるが、個別作品名は情報不明。ストリーミング時代においても世代やジャンルを超えて聴かれ続け、スロー・バラードの手本として、また“永続する愛”を象徴する楽曲として高い評価を保っている。

まとめ

Sunday Kind Of Loveは、1946年発表の名曲にふさわしく、時代や編成を越えて息長く愛されてきたスタンダードだ。ジャズの品格とR&Bの情熱を受け止める器の大きさ、そして普遍的なテーマが、今なお多様な解釈を生み出している。入門者にも通好みの耳にも応える、永遠の定番曲と言える。