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Corrine Corrina

  • 作曲: CARTER BO,CHATMAN ARMETIA,WILLIAMS J MAYO
#ジプシージャズ#スタンダードジャズ
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Corrine Corrina - 楽譜サンプル

Corrine Corrina|楽曲の特徴と歴史

基本情報

「Corrine Corrina」は、1928年にCARTER BO/CHATMAN ARMETIA/WILLIAMS J MAYO名義で著作された、英語詞のブルース由来のスタンダード。表記は“Corrine, Corrina”“Corrina, Corrina”など揺れがある。楽曲は多くの歌手により歌われ、ジャズ、ウェスタン・スウィング、R&B、ロック、フォークへと広く伝播した。作詞者の公式表記は版元により異なる場合があり、詳細は情報不明。

音楽的特徴と演奏スタイル

基本は12小節ブルース進行を核にしつつ、スウィング感のあるシャッフルや2ビート、あるいはミディアムの8ビートへ自在に転用できる柔軟性を持つ。コール&レスポンスの歌とギター(あるいはフィドル/ホーン)の掛け合いが典型で、間奏ではブルース・スケールを軸にした短いソロが映える。キーやテンポは演奏者により可変で、転調や代理和音の導入も容易なため、セッション向きのレパートリーとして定着している。

歴史的背景

著作に関わったArmenter“Bo Carter”Chatmonはミシシッピ出身の音楽一家で、後年のストリング・バンド系ブルースの隆盛にも影響を与えた人物。楽曲は出版後、南部から都市部へ広がるレコード産業の波に乗り、ダンス音楽やカントリー系の現場でも受容された。1930年代以降はスウィングの語法と結びつき、戦後のR&B期には都会的なアレンジで再評価される。

有名な演奏・録音

初期録音としてBo Carterによるヴァージョンが知られ、その後ミルトン・ブラウンやBob Wills & His Texas Playboysがウェスタン・スウィングとして普及させた。1950年代にはBig Joe TurnerがR&Bとして録音し、Bill Haley & His Cometsも取り上げる。1960年にはRay Peterson版がポップ・ヒットとなり、1963年にはBob Dylanが『The Freewheelin’ Bob Dylan』期に英語詞のフォーク文脈で再提示した。以降も多様な解釈が続く。

現代における評価と影響

現在もブルース/ジャズ系のジャムで頻繁に演奏され、学生ビッグバンドやコンボ、ルーツ・ミュージック系の現場で定番曲化している。歌詞内容は失った恋人“Corrina”を慕う哀歌で、シンプルな言葉と反復が歌い手の解釈を許容するため、スタイルを超えて歌い継がれている。著名録音の蓄積によって参照可能なアレンジが多く、教育・実演の双方で価値が高い。

まとめ

「Corrine Corrina」は、1928年発のブルース由来の名曲が時代とジャンルを横断して磨かれた好例である。12小節の器楽・歌双方に開かれた設計が、ウェスタン・スウィングからR&B、フォーク、ロックまで拡張を促し、今日もセッション・チューンとして息長く愛されている。基本形を押さえつつ、自身の編成に合ったテンポとグルーヴで、自由に解釈して楽しみたい。