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Frankie and Johnnie

  • 作曲: TRADITIONAL
#ジプシージャズ#スタンダードジャズ
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Frankie and Johnnie - 楽譜サンプル

Frankie and Johnnie|楽曲の特徴と歴史

基本情報

Frankie and Johnnie は、アメリカのトラディショナル・バラッド。表記は“Frankie and Johnny”“Frankie and Albert”など複数が併存し、作曲者・作詞者ともに情報不明。フォーク/ブルースとして歌われ、ジャズのレパートリーとしても定着した。成立年は情報不明だが、20世紀前半から多様な録音と舞台・映像で広く知られるようになった。

音楽的特徴と演奏スタイル

物語歌に典型的なスタンザ反復形式で、単純明快なトニック—サブドミナント—ドミナント進行を核にする。8小節型から12小節ブルース型まで地域差・歌い手差があり、テンポもバラードから軽快なスウィングまで幅広い。歌では語り口重視、合いの手やコール&レスポンスが効果的。ジャズ演奏ではヘッド後にコーラス・インプロヴィゼーションが展開される。

歴史的背景

歌詞は、フランキーが恋人ジョニー(あるいはアルバート)の浮気を知り、銃で撃つという物語を中心に展開する。実在の事件に由来するとの説もあるが詳細は情報不明。口承で広まったため地名や人物像、結末は版によって異なり、道徳譚、犯罪譚、哀歌など多様な解釈を生んだ。酒場の歌やヴォードヴィルを通じて普及し、録音産業の成長とともに定着した。

有名な演奏・録音

録音は枚挙にいとまがない。フォーク/ブルースではLead Belly、Mississippi John Hurt らの名唱が知られ、のちに多くのジャズ・バンドも取り上げた。エルヴィス・プレスリー主演の映画“Frankie and Johnny”(1966年)ではサウンドトラックに採用され、楽曲名の知名度を世界的に押し上げた。他にも舞台版やラジオ番組での採用例がある。

現代における評価と影響

今日ではアメリカ音楽史を学ぶ入門曲としてもしばしば扱われ、ストーリーテリング、モーダルな語法、12小節語法の基礎を示す教材にもなる。テーマは嫉妬、暴力、司法といった普遍的動機をはらみ、映画・ドラマの引用元としても継続的に機能する。権利や初出年は版により異なるため、一括した確定情報は情報不明とされることが多い。

まとめ

Frankie and Johnnie は、単純なコード進行のうえに物語性と即興性が重なる、フォークとジャズの接点に位置する歌である。数多の歌詞異同と演奏解釈が資産となり、時代やスタイルを超えて演奏され続けている。初めて聴くなら、弾き語り版とジャズ・アンサンブル版を聴き比べ、語りとグルーヴの両面から魅力を味わいたい。