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I Ain't Gonna' Give Nobody

  • 作曲: WILLIAMS CLARENCE,WILLIAMS SPENCER
#ジプシージャズ#スタンダードジャズ
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I Ain't Gonna' Give Nobody - 楽譜サンプル

I Ain't Gonna' Give Nobody|楽曲の特徴と歴史

基本情報

I Ain't Gonna' Give Nobody(正式題「I Ain't Gonna Give Nobody None of This Jelly Roll」としても知られる)は、クラレンス・ウィリアムズとスペンサー・ウィリアムズによる初期ジャズのスタンダード。発表年は1919年とされ、英語詞を持つ軽快な歌物として広まった。ヴォードヴィルやダンスホールの文脈で親しまれ、のちにトラッド・ジャズの定番レパートリーに定着した。初演者や初録音の詳細は情報不明だが、当時のポピュラー音楽とニューオーリンズ系ジャズの橋渡しをする存在として評価される。

音楽的特徴と演奏スタイル

明快な2ビートの推進力と口ずさみやすいメロディが特徴。コーラスの繰り返しが映える設計で、シンガロングにも適し、コール&レスポンスやブレイクを挟むアレンジもよく見られる。クラリネット、トランペット、トロンボーンのフロントによる集団即興や、ピアノのストライド/ラグタイム由来の伴奏が相性抜群。テンポはミディアムからアップまで幅広く、ジャム・セッションではシンプルな和声進行を活かしたアドリブ展開が定番化している。

歴史的背景

第一次世界大戦後、ラグタイムからジャズへと流行が移る過渡期に生まれた一曲で、都会的なダンス文化や劇場の娯楽性を反映している。タイトルにある“Jelly Roll”は当時のスラングを含む多義的な表現として知られ、軽妙なユーモアとしたたかな俗語感覚が曲の魅力を形づくった。出版やチャート推移の詳細は情報不明だが、楽曲は出版譜や歌本を通じて広く普及し、20年代以降のダンス・バンドや小編成コンボの定番曲となった。

有名な演奏・録音

具体的な初録音のクレジットや販売実績の詳細は情報不明だが、ニューオーリンズ〜トラッド・ジャズ系の多数のバンドが取り上げ、ライヴや行進演奏でも頻繁に演奏される。戦後のトラッド・ジャズ・リバイバルでもレパートリーに残り、ヴォーカル入りの愉快なステージ・ナンバーとして録音が重ねられてきた。近年もフェスティバルやジャム・セッションの現場で定番化しており、配信プラットフォーム上でも複数の解釈が聴ける。

現代における評価と影響

現代では、初期ジャズの楽しさを伝える入門曲として評価され、教育現場でもリズムの2ビート感や集団即興の基礎を学ぶ教材に適している。歌詞はユーモアとダブル・ミーニングを孕みつつも明快で、観客との距離を縮める演目として重宝される。SNSや動画配信でのセッション公開により若年層への浸透も進み、初期ジャズの美学—踊れるグルーヴ、呼応するインタープレイ、軽快な語り口—を再発見させる一曲として存在感を保っている。

まとめ

I Ain't Gonna' Give Nobodyは、陽気なメロディとシンプルな進行、ウィットに富む歌詞で100年以上にわたって愛される初期ジャズの要曲。歴史的な初演や詳細データは情報不明な点もあるが、ステージ映えする構成とジャムの自由度が、時代を超えて演奏家と聴衆を惹きつけ続けている。