I Wish I Could Shimmy Like My Sister Kate
- 作曲: PIRON A J,MEDINA MEMIE,DOWELL J EDGAR

I Wish I Could Shimmy Like My Sister Kate - 楽譜サンプル
I Wish I Could Shimmy Like My Sister Kate|楽曲の特徴と歴史
基本情報
本作は、タイトルが示す通り“シミー”と呼ばれたダンス熱を背景に生まれた楽曲。作曲者表記はPIRON A J、MEDINA MEMIE、DOWELL J EDGAR。歌詞は踊り上手な“ケイト”への憧れをユーモラスに描くが、作詞者は情報不明。発表年は1919とする資料がある一方、版により表記が揺れるため厳密な初出は情報不明。現在はジャズ・スタンダードとして広く演奏される。
音楽的特徴と演奏スタイル
軽快な2ビートに乗る口ずさみやすい旋律が核。ニューオーリンズ〜ディキシーランドの語法を踏まえ、トランペット、クラリネット、トロンボーンのフロントが集団即興を繰り広げ、バンジョーやピアノ、ベース、ドラムが推進力を生む。ブレイクやコール&レスポンスが映え、ダンサーにも好まれるテンポ設定が多い。
歴史的背景
20世紀初頭の米国では、ラグタイムからジャズへ移行する流れの中で社交ダンスが音楽を後押しした。シミーは上半身を小刻みに揺らす踊りで、ヴォードヴィルやクラブで人気を博す。本作はその潮流に呼応し、ニューオーリンズ由来のリズム感と都会的ショウビジネスの空気を結びつけた一曲として受容されてきた。
有名な演奏・録音
1920年代以降、数多くのジャズ・バンドが録音を残し、戦前・戦後を通じてレパートリーに定着。スモールコンボからブラス主体のトラッド編成まで相性がよく、ヴォーカル入り/インストの双方で楽しまれている。具体的な最古の録音情報は情報不明だが、長期にわたり継続的に再演されてきた。
現代における評価と影響
今日でもトラディショナル・ジャズの定番曲として、ライヴのオープナーやダンス・イベントで重宝される。構成が明快でアドリブの受け皿が広く、若手の練習曲からベテランのショウピースまで用途が広い。スウィングやレトロ・ポップ系プロジェクトでも取り上げられている。
まとめ
踊れる感覚と集団即興の熱気を併せ持つ本作は、ジャズ誕生期のエッセンスを今に伝える指標的レパートリー。作詞者や初出の詳細などに情報不明点は残るが、ステージでの即効性は揺るがない。入門者にも取り組みやすい名曲と言える。