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Three Little Words

  • 作曲: RUBY HARRY
#スタンダードジャズ#ジプシージャズ
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Three Little Words - 楽譜サンプル

Three Little Words|楽曲の特徴と歴史

基本情報

「Three Little Words」は、作曲家ハリー・ルビー(Harry Ruby)による1930年発表の楽曲で、作詞はバート・カルマー。現在はジャズ・スタンダードとして広く演奏される。一般に32小節のAABA形式とされ、歌詞は“たった三つの言葉”による端的な愛の表現を主題に据える。ヴォーカル曲として成立しつつ、器楽曲としても人気が高い。

音楽的特徴と演奏スタイル

和声は機能的で、循環するII–V進行や副次ドミナントが多用される。ブリッジでは一時的な転調感が生まれ、アドリブに明確なコントラストを与える。メロディは短い動機の反復とシンコペーションが要で、ミディアム〜アップテンポのスイングで取り上げられることが多い。ヴォーカルでは言葉のリズムを生かしたレガートと明瞭なアーティキュレーションが求められる。

歴史的背景

本作はティン・パン・アレー黄金期の作家コンビ、カルマー&ルビーの代表作の一つ。ラジオとダンスバンド文化の広がりとともに普及し、戦前スウィング期から戦後ビバップ以降まで継続的に演奏されてきた。1950年のMGM映画『Three Little Words』は、二人の半生を描いた伝記作品で、本曲の存在を改めて大衆に印象付ける役割を果たした。

有名な演奏・録音

具体的な録音の網羅的リストは情報不明だが、映画『Three Little Words』(1950)ではフレッド・アステアが歌とダンスで披露し、広い認知を得たとされる。スウィング〜モダン期の多くのバンドや小編成コンボがレパートリーに取り入れ、ヴォーカルと器楽の双方で数多くの録音が残る。代表盤の特定は情報不明。

現代における評価と影響

機能和声に基づく明快な楽曲構造と覚えやすい旋律は、即興練習の教材としても有用で、ジャズ教育の現場やセッションで定番視される。歌詞の主題は普遍的で、時代やスタイルを超えて解釈の余地が広い。アレンジの自由度も高く、スウィング、バップ、ラテン・フィールなど多様なバリエーションが試みられている。

まとめ

「Three Little Words」は、端的な愛のメッセージと堅固なAABA形式を備えた、カルマー&ルビーの名曲。ヴォーカルとインストの両面で演奏され、映画による後押しもあって長く親しまれてきた。明瞭な和声設計はアドリブ展開を支え、今日でもスタンダードとしての価値を保ち続けている。