Nobody's Sweetheart
- 作曲: MEYERS BILLY,SCHOEBEL ELMER
#ジプシージャズ#スタンダードジャズ

Nobody's Sweetheart - 楽譜サンプル
Nobody's Sweetheart|楽曲の特徴と歴史
基本情報
1924年発表の『Nobody's Sweetheart』は、ビリー・メイヤーズとエルマー・ショーベル作曲、ガス・カーンとアーニー・アードマン作詞のポピュラーソング。のちにジャズ・スタンダード化し、別題にNobody's Sweetheart Now。歌唱・器楽の双方で演奏され、現場では32小節のソング・フォームとして扱われることが多い。初演者は情報不明。
音楽的特徴と演奏スタイル
明快な旋律と軽快なシンコペーションが要。トラッドではツービート合奏とストップタイム、スウィング以降はフォービート上のソロ回しが映える。キーは可変、テンポはミディアム〜アップが定番。ヴォーカルのハーモニー/スキャット、器楽の主題—ソロ—合奏という構成がよく用いられる。
歴史的背景
禁酒法時代のダンス文化とレコード産業の拡大に乗り、発表直後からホット・ダンス〜シカゴ系で普及。ショーベルのキャッチーな書法がクラブやボールルームの需要に合致し、戦前スウィング期まで継続的に録音された。
有名な演奏・録音
代表的録音には、McKenzie and Condon's Chicagoans(1927)、McKinney's Cotton Pickers(1929)、The Mills Brothers(1931)など。小編成のホットな合奏、洗練されたセクションワーク、ヴォーカル・ハーモニーといった多彩なアプローチが確立し、以後の定番アレンジの参照点となった。
現代における評価と影響
今日もトラッド/ディキシー系セッションの常備曲で、スウィング回帰の公演でも重用。アレンジ自由度が高く、学習・実演の両面で扱いやすいことから、現場での定着度が高い。
まとめ
親しみやすいメロディと拡張性を併せ持つ本曲は、20年代の風合いを今に伝える普遍的スタンダードである。