Original Dixieland One-Steр
- 作曲: JORDAN JOE,LA ROCCA D JAMES

Original Dixieland One-Steр - 楽譜サンプル
Original Dixieland One-Steр|楽曲の特徴と歴史
基本情報
Original Dixieland One-Steрは、ジョー・ジョーダンとD. ジェームズ・ラロッカにクレジットされる初期ジャズの器楽曲。タイトルが示す通り社交ダンス“ワンステップ”のための軽快な一曲で、歌詞は存在せず、作詞者は情報不明。初出の出版年は情報不明だが、Original Dixieland Jass Band(ODJB)との結びつきで知られ、早期ジャズ・レパートリーの中核に位置づけられてきた。
音楽的特徴と演奏スタイル
2ビート感の強い2/4系の推進力、ラグタイム由来のシンコペーション、そしてコルネット/クラリネット/トロンボーンのフロントラインによる集団即興が核。明快なメロディと反復するコーラス構成で、ブレイクやストップタイムを交えながらテンションを高める。テンポは中速〜速めに設定されることが多く、ダンスフロアでの可動性を最優先したアレンジが似合う。リズム・セクションはバンジョーやピアノ、チューバ(またはベース)、ドラムが堅実にビートを支えるのが通例である。
歴史的背景
1910年代のアメリカでは、ワンステップやフォックストロットが流行し、ニューオーリンズ発のジャズが都市圏で商業化された。ODJBはその象徴的存在で、同時期の録音が一般に初期ジャズの転換点として言及される。旋律素材の一部がジョー・ジョーダンのラグタイム作品に近いとして共作者表記となる版があり、版元や年代によってクレジットや表題が異なる点も指摘されている。厳密な初出年や初版楽譜のディテールは情報不明。
有名な演奏・録音
代表的な参照例として、Original Dixieland Jass Bandによる初期録音がしばしば取り上げられる。のちのトラディショナル/ディキシーランド系アンサンブルにも広く演奏され、行進的な足取りと明朗なコール&レスポンスが記録に残る。網羅的ディスコグラフィーやチャート成績の詳細は情報不明。映画やテレビでの明確な使用例についても情報不明である。
現代における評価と影響
本曲は、初期ニューオーリンズ・スタイルの語法—二拍のドライブ、集団即興、ラグタイム的和声感—を体感的に学べる題材として評価が高い。教育現場やワークショップ、トラッド系セッションでしばしば用いられ、歴史的文脈を踏まえた再演や、当時の編成・ミュート使いを再現する試みも行われている。ダンス適性の高い明快なグルーヴは、現代のスウィング・ダンス界隈でも親和性が高く、入門曲としても位置づけられる。
まとめ
Original Dixieland One-Steрは、ディキシーランド黎明期のダンス・ナンバーとして、簡潔なモチーフと推進力あるビートで聴き手と踊り手を牽引する。細部の出版情報は情報不明な点も残るが、ODJBと結びついた歴史的意義、そして演奏しやすくも奥行きのある構造は、現在もジャズ史と実演の両面で価値を持ち続けている。