Ory's Creole Trombone
- 作曲: ORY EDWARD KID
#ジプシージャズ#スタンダードジャズ

Ory's Creole Trombone - 楽譜サンプル
Ory's Creole Trombone|楽曲の特徴と歴史
基本情報
「Ory's Creole Trombone」は、ニューオーリンズの名手キッド・オリー(Edward “Kid” Ory)作のインストゥルメンタル。トラディショナル・ジャズの定番で、題名通りトロンボーンの魅力を前面化。初出年は情報不明だが、1920年代前半の録音で広まり、今も各地のバンドに欠かせない。
音楽的特徴と演奏スタイル
聴きどころは“テイルゲート”と呼ばれるグリッサンド主体のトロンボーン語法。コルネットとクラリネットの主旋律に対し、対旋律で絡む三管の集団即興、2ビートの推進力、ストップタイムのブレイクなど、初期ニューオーリンズ語法が凝縮される。
歴史的背景
本作は、南部の演奏家が西海岸や中西部へ活動を広げた流れの中で広まった。オリーのバンドは1920年代前半に録音を残し、アフリカ系アメリカ人ジャズ・バンドの初期商業録音の一例として言及される。録音年やレーベル詳細は資料差異があり情報不明。
有名な演奏・録音
代表格はオリー自身の録音。初期音源に加え、1940年代のトラディショナル・ジャズ復興期にも再録され、その後は各地の伝統派バンドが定番として取り上げてきた。特定の映画使用は情報不明だが、復刻盤や配信で容易に聴ける。
現代における評価と影響
三声の役割分担、ブレイク、テイルゲート奏法のタイム感を学ぶ教材として評価される。ジャズ教育やワークショップで扱われ、セッションでも観客に伝わるエネルギーで重宝。小編成からパレードまで機能する。
まとめ
トロンボーンの表情と初期ジャズのダイナミズムを凝縮した古典。細部年譜は情報不明点もあるが、録音史と実演の礎として今日も息づく。ニューオーリンズ美学を体感する入門曲と言える。