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Ostrich Walk

  • 作曲: EDWARDS EDWIN B,LA ROCCA D JAMES,LAROCCS DOMINIC,ROGAS H W,SBARBARO ANTHONY,SHIELDS LARRY
#ジプシージャズ#スタンダードジャズ
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Ostrich Walk - 楽譜サンプル

Ostrich Walk|楽曲の特徴と歴史

基本情報

「Ostrich Walk」は、Original Dixieland Jass Bandのレパートリーとして知られる初期ジャズの器楽曲。作曲クレジットにはEDWARDS EDWIN B、LA ROCCA D JAMES、LAROCCS DOMINIC、ROGAS H W、SBARBARO ANTHONY、SHIELDS LARRYと、同バンド主要メンバーの名が並ぶ。作詞者は情報不明。歌詞付きの歌唱版よりも、コルネット、クラリネット、トロンボーンのアンサンブルで演奏されるのが一般的で、明快なダンス性を備えたトラディショナル・ジャズの定番曲とされる。初演・初録音の正確な年は情報不明。

音楽的特徴と演奏スタイル

音楽的には、2ビートを基調とするツーステップの推進力と、ラグタイム由来の多楽節構成が特徴。メロディはクラリネットやコルネットが担い、トロンボーンはテイルゲート風の対旋律で応答、全体としてコレクティブ・インプロヴィゼーションが要所で展開される。ブレイクやストップタイムを活用し、短いソロ回しを挟みながらダンスフロア向けの明快な起伏をつくるのが定石だ。編成は小規模コンボが中心で、テンポやキーは演者の解釈に委ねられることが多い。

歴史的背景

本曲は、1910年代後半に商業録音でジャズを一気に可視化したOriginal Dixieland Jass Bandの活動圏と密接に結びつく。彼らがニューヨークでの演奏とレコード流通を通じて確立したディキシーランド様式は都市部のダンスホールで人気を博し、「Ostrich Walk」もその文脈で広まった。版元情報や出版年、初出媒体などの詳細データは情報不明だが、初期ジャズのレパートリー形成に寄与した一曲として位置づけられる。

有名な演奏・録音

代表的な録音としてはOriginal Dixieland Jass Bandによるヴァージョンが知られ、以降は伝統派ジャズ・バンドの定番レパートリーに受け継がれた。クラリネット主導の軽快なテンポ設定や、コルネットの端的なリードを生かす編成が好まれる傾向にある。特定の映画・ドラマでの顕著な使用例は情報不明だが、トラッド系のコンサートやジャズ・フェスティバルで頻繁に取り上げられ、録音も各地のバンドにより多数残されている。

現代における評価と影響

現代では、トラディショナル・ジャズを学ぶ学生バンドや市民バンドの教材曲として重宝され、アンサンブルの役割分担や初期ジャズ特有のアーティキュレーション、ブレイクの受け渡しを学ぶ題材として有効とされる。テンポやコーラス数の自由度が高く、ソロの長短も調整しやすいため、ジャム・セッションでも扱いやすい。ディキシーランド・リバイバルの文脈でも一定の演奏頻度を保ち、初期ジャズの魅力を体感できる曲として評価されている。

まとめ

「Ostrich Walk」は歌詞情報が乏しい純器楽曲であり、初期ジャズのダンス性と集団即興の醍醐味を端的に示すナンバーだ。難解さを避けつつ、アンサンブルの妙味を味わえる構成は、入門者から愛好家まで幅広い支持を得ている。歴史的ディキシーランド・サウンドの手触りを現在に伝える、教育的にも実演的にも価値の高い一曲である。