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Tones For Joan's Bones

  • 作曲: COREA CHICK
#コンテンポラリー
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Tones For Joan's Bones - 楽譜サンプル

Tones For Joan's Bones|楽曲の特徴と歴史

基本情報

チック・コリア作曲の「Tones For Joan's Bones」は、彼のリーダー作の表題曲として知られるモダン・ジャズ曲。器楽曲で歌詞は存在せず、セッションでも取り上げられる機会が多い。タイトルの“Joan”の由来は情報不明。初出は1960年代後半の録音に遡り、現在も演奏家のレパートリーとして定着している。

音楽的特徴と演奏スタイル

テンポの速い4/4スウィングで演奏されることが多く、主題はシンコペーションと広い跳躍を伴う角度的なライン。ハーモニーは機能和声を軸にしつつ、モーダルな滞留や半音階的な転換を織り交ぜ、複数のトーナル・センターを行き来する。即興ではクォータル・ヴォイシングやテンション豊富なアプローチが映え、リズム・セクションはウォーキング・ベースとライド中心の推進力で支える。

歴史的背景

コリアがサイドマンから作編曲家として台頭した時期に書かれ、アコースティック期初期を代表するナンバーの一つ。ハード・バップからポスト・バップへ移行する1960年代の潮流を体現し、先鋭性と歌心を兼備した作風が以後の彼の活動—ピアノ・トリオや後年のフュージョン—への橋渡しとなった。タイトルの献呈対象など詳細は情報不明である。

有名な演奏・録音

初出として広く知られるのは、コリアのデビュー・アルバムに収められた演奏で、ホーン・アンサンブルとピアノが精緻に絡む。さらに、トランぺッターのブルー・ミッチェルがアルバム『Boss Horn』で取り上げ、ホーン・セクションによる力強い解釈を提示した。以降も多くのライブ盤や教育現場の音源で演奏例が確認でき、レパートリーとして息長く演奏されている。

現代における評価と影響

本曲はモダン・ジャズの語彙を学ぶ教材としてもしばしば扱われ、アンサンブルのハーモニー運用や高速テンポでのライン構築を訓練する題材として重宝される。プロ奏者のレパートリーにも定着し、コリア作品群—Windows、Spainなど—と並び、作曲家としての独自性を示す重要レパートリーと評価されている。

まとめ

「Tones For Joan's Bones」は、先鋭的ながら演奏的な手触りがよい設計で、学習者からプロまで広く支持される。由来の一部は情報不明ながら、コリアの作曲語法と1960年代モダン・ジャズのエッセンスを凝縮した一曲として、現在も価値を保ち続けている。