Riverside Blues
- 作曲: DORSEY THOMAS A,JONES RICHARD M

Riverside Blues - 楽譜サンプル
Riverside Blues|楽曲の特徴と歴史
基本情報
Riverside Bluesは、Thomas A. Dorsey(後年“ゴスペルの父”)とRichard M. Jonesの共作。ジャズ・レパートリーで広く演奏される標準曲で、一般には器楽曲として親しまれる。作詞者および公的な初出年は情報不明。日本語表記は「リバーサイド・ブルース」。
音楽的特徴と演奏スタイル
楽曲はブルース進行を基調にしたトラディショナル・ジャズ。コルネット主旋律、クラリネット対旋律、トロンボーンのテイルゲートが絡む三管フロントが定番で、リズムはバンジョー/ピアノ、チューバ(またはベース)、ドラムが二拍系で支える。コーラス単位でソロを回し、合奏のコレクティブ・インプロヴィゼーションやストップタイムのブレイクが聴きどころ。覚えやすい主題が即興の土台になる。
歴史的背景
Dorseyは初期にブルース/ジャズで活動し、のちにゴスペルへ転身。Jonesはシカゴのピアニスト/作曲家として知られる。本曲は、南部出身の音楽家が集まった都市シーンで支持を得たジャズとブルースの接点を体現する一例といえる。曲名の由来や特定の地名との関連は情報不明。初出年も確証のある資料は情報不明である。
有名な演奏・録音
初期の代表例として、キング・オリヴァー楽団の録音が広く言及される。ルイ・アームストロング在籍期のアンサンブルは本曲の魅力を示す手本とされ、以後もニューオーリンズ系やディキシーランド系の多くのバンドが取り上げた。詳細な録音データや版権の変遷については一部情報不明。
現代における評価と影響
現在もトラディショナル志向のセッションや学生バンドの教材として定番。テンポや編成の自由度が高く、ブルース形式と集団即興の理解を深める題材として重宝される。アンサンブルの呼吸感やリフ・ワーク、ブレイクの扱いなど、初期ジャズの語法を学ぶのに適した曲として評価されている。
まとめ
Riverside Bluesは、簡潔な主題と堅固なブルース進行を備え、初期ジャズのエッセンスを体現する標準曲である。作曲者の来歴と時代背景を踏まえつつ、さまざまな編成と解釈で演奏され、時代を超えて演奏者と聴衆を結びつける魅力を放ち続ける。