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Rockin' Chair verse

  • 作曲: CARMICHAEL HOAGY
#ジプシージャズ#スタンダードジャズ
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Rockin' Chair verse - 楽譜サンプル

Rockin' Chair verse|楽曲の特徴と歴史

基本情報

Hoagy Carmichael作曲・作詞のRockin' Chairは、1929年に発表されたジャズ・スタンダード。タイトルに“verse”と付く場合は、コーラス前の導入部(ヴァース)を指す表記で、独立して演奏されることもあるが、多くの演奏ではヴァースからコーラスへ自然に接続される。老いと倦怠をユーモアと哀感で描く歌として知られる。

音楽的特徴と演奏スタイル

テンポはスロー〜ミディアム・スロー。ヴァースは語り口調でルバート気味に始まり、コーラスで穏やかなスウィングに移るのが典型。和声は副次ドミナントや半音進行が用いられ、渋いブルース感と上品な旋律が共存する。ヴォーカルと管楽器の掛け合いとして編曲される例も多い。ヴァースを省略するか否かで雰囲気が大きく変わる点も特徴だ。

歴史的背景

1920年代末、ティン・パン・アレーの流行歌とジャズが密接に結びついた時期に誕生。カーミカルは同時期にStardustなども書き、作曲家兼ピアニストとして頭角を現した。本作は彼の作風を象徴する“洒脱さと郷愁”を備え、ダンス・バンドから小編成コンボまで幅広い現場で取り上げられた。

有名な演奏・録音

代表的録音には、ルイ・アームストロングとカーミカルの掛け合いで知られる版、ミルドレッド・ベイリーの名唱が挙げられる。ベイリーは本曲で“Rockin’ Chair Lady”の異名を得た。のちにエラ・フィッツジェラルドほか多くの歌手が取り上げ、トランペットやクラリネットをフィーチャーした器楽版も多い。録音年・レーベルの詳細は情報不明。

現代における評価と影響

現在もヴォーカルの定番曲。ヴァースを導入として活かすか、コーラスのみで始めるかで雰囲気が大きく変わり、編曲の自由度が高い。語り口とユーモアはアメリカン・ソングブック理解の入口として教育現場でも重宝される。多言語訳や邦訳の詳細は情報不明。ジャム・セッションではテンポやキーを歌い手に合わせる配慮が行われることが多い。

まとめ

Rockin' Chairは、味わい深いヴァースと印象的なコーラスが一体となったカーミカルの代表作。哀愁とウィットを兼ね備えた世界観は時代を超えて支持され、シンガーにも器楽奏者にも表現の余地を与える。“verse”表記に注目しつつ歴史的録音を聴き比べれば、楽曲の設計と解釈の幅がより鮮明に見えてくる。