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Second Line, The

  • 作曲: BARBARIN PAUL
#ジプシージャズ#スタンダードジャズ
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Second Line, The - 楽譜サンプル

Second Line, The|楽曲の特徴と歴史

基本情報

「Second Line, The」は、作曲者BARBARIN PAUL(一般にはPaul Barbarinとして知られる)によるニューオーリンズ由来のジャズ標準曲。地域のブラスバンド文化と密接に結びついたインストゥルメンタルとして広く認知され、ストリート・パレードやクラブのステージで頻繁に演奏される。作詞者は情報不明、初出年も情報不明。編成はトランペット、トロンボーン、サックス、スーザフォン(またはチューバ)、スネア&バスドラムなどのブラスバンドが基本だが、スモール・コンボ編成やファンク寄りのアレンジでの演奏例も多い。

音楽的特徴と演奏スタイル

最大の特徴は“セカンドライン・ビート”。スネアのシンコペーションとゴーストノート、バスドラムの推進的アクセントが生む跳ねるグルーヴが行進曲とジャズの中間に独自の躍動をもたらす。スーザフォンのオスティナートがリズムの土台を作り、ホーンはユニゾンの短いリフやコール&レスポンスで観客を煽る。各パートのソロは短いブレイクを挟みながら受け渡され、終盤に向けてシャウト感が高まるのが典型的。テンポや調性、コーラス構成はバンドごとに差があり、固定形ではなく“場”に応じて伸縮する演奏慣行が根付いている。

歴史的背景

“Second line”は、ニューオーリンズで葬列や祝祭パレードに続いて踊り、手拍子や傘、ハンカチで盛り上げる人々を指す言葉。ブラスバンドの伝統とソーシャル・エイド&プレジャー・クラブの文化が交差し、独自の祝祭性を継承してきた。ドラマー/作曲家のPaul Barbarinはこうした現場の一線で活躍し、セカンドラインのフィールを音楽作品として定着させた重要人物の一人である。本作の成立年や初演状況は情報不明だが、その語法は地域文化の実践に根差している。

有名な演奏・録音

本曲はニューオーリンズのブラスバンドの定番レパートリーとして、パレードやクラブ、ジャズ・フェスティバルの現場で数多く記録・録音されてきた。編成やアレンジは多様で、伝統的ブラスバンドの直球解釈から、ドラムを強調したファンキーなグルーヴ志向まで幅広い。特定の決定版を一つに絞ることは難しく、地域の複数バンドによる音源が流通している。映画やテレビでの個別の使用例は情報不明だが、セカンドラインの場面で流れる音楽としてしばしば想起される。

現代における評価と影響

“セカンドライン・ビート”自体がドラマーにとって必修の語彙となり、ジャズ、ファンク、ブラスバンド、マーチングの垣根を越えて引用される。教育現場やワークショップでも取り上げられ、アンサンブルの躍動感、コール&レスポンス、即興と群唱のダイナミクスを学ぶ格好の教材として評価が高い。観客参加型の祝祭性は都市のイベントやストリート文化とも親和し、世界各地のブラスバンド・シーンやジャム・セッションで受け継がれている。

まとめ

「Second Line, The」は、ニューオーリンズの祝祭文化を体現するインストゥルメンタルのジャズ標準曲であり、独自のリズム語法と群舞的高揚感が最大の魅力である。成立年などの詳細は情報不明ながら、現場で鍛えられた音楽として今日も生き続け、プレイヤーと聴衆を自然に踊らせる力を持ち続けている。