Seems Like Old Times
- 作曲: LOMBARDO CARMEN

Seems Like Old Times - 楽譜サンプル
Seems Like Old Times|楽曲の特徴と歴史
基本情報
「Seems Like Old Times」は、カーメン・ロンバードが作曲し、ジョン・ジェイコブ・ローブが作詞した楽曲。発表は1945年。ビッグバンド時代の終盤に誕生し、ロンバードの兄であるガイ・ロンバード率いる楽団のレパートリーとして広く知られるようになった。端正で口ずさみやすい旋律と、回想をテーマにした歌詞が特徴で、ダンスホールからラウンジ、コンサートまで幅広い場で親しまれてきた。
音楽的特徴と演奏スタイル
多くの演奏で、ミディアム・スローのテンポに穏やかなスウィング感を乗せ、流麗なメロディを前面に出す。クローナー系のヴォーカルや、サックス・セクションとミュート・トランペットによる柔らかなブラスが好相性で、イントロや間奏で自由度の高いフェイクやアドリブを挟みやすいのもポイント。バラード寄りの解釈から軽快なスウィングまで幅広く対応でき、ジャズ・クラブでもポピュラーのステージでも映える。
歴史的背景
第二次大戦後、アメリカの大衆音楽はダンス指向からリスニング志向へ移行しつつあったが、本曲は当時のロマンティックなムードを色濃く残す。ガイ・ロンバード楽団の上品なアレンジは、戦中・戦後を通じて聴衆の癒やしとなり、「昔のようだ」という題名が示す郷愁と時代感覚が支持を集めた。出版・初演の詳細な経緯や初出の媒体は情報不明。
有名な演奏・録音
代表的にはガイ・ロンバード&ヒズ・ロイヤル・カナディアンズの録音が挙げられる。さらに、映画『アニー・ホール』(1977)において印象的に用いられ、作品全体のノスタルジーを象徴する音楽として機能したことでも知られる。その他、多数の歌手・ビッグバンドによる録音・ライヴ演奏が存在するが、網羅的なディスコグラフィーやチャート成績の詳細は情報不明。
現代における評価と影響
現在も“古き良き”アメリカン・ソングブックを取り上げる場面で定番の一曲。結婚式や社交ダンスのレパートリー、ラウンジやジャズ・トリオのセットでも取り上げられる。簡潔で覚えやすい旋律はアレンジの自由度が高く、ストリングスを加えた室内楽的な解釈から、スウィング小編成の洒脱なアプローチまで幅広い。映像作品で懐古を喚起する音楽として引用される例も少なくない。
まとめ
「Seems Like Old Times」は、気品ある旋律と郷愁の情感で長く愛されてきたスタンダードである。ビッグバンドの伝統とポピュラーの親しみやすさを兼ね備え、世代や場面を超えて生き続ける楽曲だ。基礎情報の一部は情報不明ながら、音楽的魅力は今も古びない。