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Undecided

  • 作曲: ROBIN SYDNEY, SHAVERS CHARLES
#スタンダードジャズ
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Undecided - 楽譜サンプル

Undecided|楽曲の特徴と歴史

基本情報

Undecidedは、作曲チャーリー・シャヴァーズ(Charles Shavers)、作詞シド(シドニー)・ロビン(Sid/Sydney Robin)によるスウィング期の名曲。発表は1938年とされ、器楽曲として知られたのち歌詞が付され、歌ものとしても広く普及しました。初期の代表的録音にはジョン・カービー・セクステット、そしてチック・ウェブ楽団(エラ・フィッツジェラルドをフィーチャー)などが挙げられます。現在もジャズ・クラブやセッションで定番として扱われ、世代を超えて演奏され続けるスタンダードです。

音楽的特徴と演奏スタイル

明快でキャッチーな主題と、スウィング感の強いリズムが魅力。アップ~ミドルアップのテンポで取り上げられることが多く、ソロ回しが映える構成です。歌ものの32小節形式に属するスタンダードですが、細部の型や版差は存在し得るため詳細は情報不明。コード進行はスウィング期らしい循環やツー・ファイブ進行を軸にし、メロディは跳躍と順次進行のバランスがよく、コール&レスポンス的なフレーズも生きます。ヴォーカルではスキャットを交えた即興も親和性が高く、コンピングは4ビートの推進力を重視するのが一般的です。

歴史的背景

1930年代末はスウィング・ジャズの円熟期。トランペッターとして活躍したシャヴァーズが書いたこの曲は、当時のダンス・バンドや小編成コンボの双方に適合する洗練を備えていました。ロビンが歌詞を付けたことでポピュラー領域にも浸透し、チック・ウェブ楽団とエラ・フィッツジェラルドによる録音(1939年)は広く親しまれます。戦後も取り上げられ続け、1950年代にはザ・エイムス・ブラザーズらのポップ・ヴァージョンも知られ、クロスオーバー的な広がりを見せました。

有名な演奏・録音

・ジョン・カービー・セクステット:室内楽的精度の高い小編成スウィングで、楽曲の端正さを提示。・チック・ウェブ楽団 feat. エラ・フィッツジェラルド:歌詞付きの親しみやすさとスキャットの妙味で大きな反響を獲得。・チャーリー・シャヴァーズ:作曲者自身によるヴァージョンはトランペットの巧緻なアドリブが聴きどころ。・ザ・エイムス・ブラザーズ:ポップ・コーラスとしての魅力を前面に出し、楽曲の多面性を示しました。

現代における評価と影響

Undecidedは多くのフェイクブックに採録され、ジャム・セッションのレパートリーとして定着。シンプルで覚えやすいテーマと、発展性のある和声が初学者の即興練習からプロのライブまで幅広く機能します。スウィングはもちろん、モダンなハーモナイズやテンポを工夫したアレンジにも耐え、教育現場でもフォーム理解とリズム訓練に適した教材として扱われます。映画やドラマでの使用については情報不明ですが、録音・演奏の蓄積が今日の評価を確固たるものにしています。

まとめ

シャヴァーズとロビンによるUndecidedは、スウィングの躍動と歌心を兼備したジャズ・スタンダード。明快なメロディと扱いやすい形式により、ヴォーカル/インスト双方で生きる柔軟性を持ちます。歴史的録音から現代の解釈まで幅広い名演に恵まれ、初学者の入口にも好適。セッションでの実用性と、時代を超えて愛される普遍性が、この曲をスタンダードたらしめる最大の理由と言えるでしょう。