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Sidewalk Blues

  • 作曲: MORTON JELLY ROLL
#ジプシージャズ#スタンダードジャズ
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Sidewalk Blues - 楽譜サンプル

Sidewalk Blues|楽曲の特徴と歴史

基本情報

「Sidewalk Blues」は、Jelly Roll Morton(表記:MORTON JELLY ROLL)による初期ジャズ曲。一般にインストゥルメンタルとして演奏され、ブルースの語法を土台にしたアンサンブル作品として知られる。初出年や初演者の詳細は情報不明だが、モートンの代表的レパートリーの一つとして各種復刻盤や演奏会で定着している。

音楽的特徴と演奏スタイル

演奏は2ビートの躍動とシンコペーションが要で、合奏のリフとソロのコール&レスポンスが巧みに交錯する。ストップタイムやブレイクを用いて各楽器の個性を引き出し、ピアノの伴奏は和声の要所を押さえつつ推進力を供給。モートン流の多声的書法に沿い、クラリネットやトロンボーンの対旋律が厚みを与える解釈が多い。テンポやキーは版ごとに異なるが、歌詞の定着は情報不明で、器楽曲としての性格が強い。

歴史的背景

楽曲が広まったのは、ニューオーリンズ由来の合奏美学がシカゴやニューヨークで花開いた1920年代の文脈と重なる。電気録音の普及によりアンサンブルのニュアンスが記録に残りやすくなり、作編曲家としてのモートンの能力が可視化された時期でもあった。「Sidewalk Blues」は、その時代感覚を映す楽曲として位置づけられる。

有名な演奏・録音

決定版としてしばしば参照されるのは、モートン自身が率いたアンサンブルによる録音で、精巧な構成と軽妙なスウィング感が魅力。以後、トラディショナル・ジャズ系のバンドや教育現場のアンサンブルでたびたび取り上げられ、再録も多数。編集盤やボックスセットに収められることが多く、入手経路は年代やレーベルにより異なるため詳細は情報不明。

現代における評価と影響

今日では、モートンの作法—リフの積層、対旋律、明快なフォーム設計—を学ぶ格好の素材として評価が高い。ジャム・セッションの常連曲というよりは、アレンジを活かしたアンサンブル・チューンとして扱われ、録音アーカイブの研究対象にもなる。初学者にはコーラス構成の聴き取り練習、上級者には合奏内での役割設計の手本を与える。

まとめ

「Sidewalk Blues」は、モートンが確立した初期ジャズの設計思想を凝縮した小品である。詳細な初演情報は情報不明ながら、器楽合奏の妙味とブルース的感覚の融合が魅力で、歴史的資料としても演奏曲としても価値が高い。原典的録音と現代の解釈を併聴し、構成とサウンドの変遷を体感したい。