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Someday Sweetheart

  • 作曲: SPIKES BENJAMIN F,SPIKES JOHN C
#ジプシージャズ#スタンダードジャズ
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Someday Sweetheart - 楽譜サンプル

Someday Sweetheart|楽曲の特徴と歴史

基本情報

「Someday Sweetheart」は、Benjamin F. Spikes と John C. Spikes による1919年の楽曲。歌詞を伴うジャズ・スタンダードとして広く親しまれ、別れや後悔を主題とするヴォーカル曲としても、インストゥルメンタルの定番としても演奏される。クレジットがしばしばジェリー・ロール・モートンに誤帰属される点でも知られる。

音楽的特徴と演奏スタイル

旋律はブルース由来の語り口を持ち、シンプルな和声進行にブルーノートや経過和音が彩りを加える。テンポはミディアム中心で、2ビートから4ビートへ滑らかに推進する演奏が多い。トランペット(またはコルネット)が主旋律、クラリネットが対旋律、トロンボーンがテイルゲートで支える伝統的アンサンブルに加え、ヴォーカルを1コーラス挟む構成もよく用いられる。

歴史的背景

1910年代末のポピュラー音楽と初期ジャズの接点で生まれ、ダンスホール文化の拡大とともに普及した。楽譜出版と録音の双方で広まり、スパイクス兄弟の作品として評価されつつも、人気演奏家の録音が先行したことでクレジット表記に揺らぎが生じ、のちに誤帰属是正の議論が繰り返された歴史を持つ。

有名な演奏・録音

代表的な録音として、ジェリー・ロール・モートンの演奏がよく知られる。以後、トラディショナル・ジャズ系コンボやダンス・バンドがレパートリーに取り上げ、時代ごとのサウンドに合わせたテンポやアレンジで多数のカバーが残された。映画での顕著な使用は情報不明。

現代における評価と影響

今日でもトラッドからスウィング系のジャム・セッションで定番曲として扱われ、歌手にとっては感情表現と語り口のコントロールを磨ける教材、器楽奏者にとっては旋律尊重型ソロとコレクティブ・インプロの両立を学べる題材となっている。録音・配信の場でも定期的に新録が続く。

まとめ

簡潔な構造に胸に残る旋律を備えた「Someday Sweetheart」は、初期ジャズの精神と歌心を同時に体現する一曲である。作曲者はスパイクス兄弟であることを踏まえつつ、時代を超えて楽しめるスタンダードとして今後も演奏され続けるだろう。