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Toot, Toot, Tootsie

  • 作曲: ERDMAN ERNIE,KAHN GUS
#ジプシージャズ#スタンダードジャズ
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Toot, Toot, Tootsie - 楽譜サンプル

Toot, Toot, Tootsie|楽曲の特徴と歴史

基本情報

1922年発表のポピュラー・ソング。「Toot, Toot, Tootsie (Goo' Bye!)」とも表記。作曲はErnie Erdman(資料によってはDan RussoやTed Fio Ritoが名義に加わる例あり)、作詞はGus Kahn。アル・ジョルソンが舞台や録音で広め、のちにジャズの定番曲として定着した。別れを明るく茶目っ気たっぷりに歌い上げる内容で、観客の手拍子や合唱を誘うキャッチーさが魅力。歌詞全文は非掲載とし、ここでは由来と特徴を整理する。

音楽的特徴と演奏スタイル

軽快な二拍系(フォックストロット/ディキシーランド風)のノリに、呼応するフレーズと短いモチーフの反復が映える。明るい掛け声的コーラスは観客参加型に適し、クラリネット、トランペット、トロンボーンのフロントとバンジョーやピアノ、チューバ/ベースのリズム隊でのスウィング解釈が定番。ヴォーカル版では語り風の前振りから一気にサビへ駆け上がる構成が効果的で、スキャットやブレイクを挟むアレンジも多い。簡潔な旋律線とはっきりした和声進行が即興にも向く。

歴史的背景

第一次大戦後の「狂騒の20年代」に生まれ、ダンス熱とラジオ普及が後押しした。ブロードウェイのショーでアル・ジョルソンが歌い人気を決定づけたとされ、シート・ミュージック販売とレコード市場の拡大が拡散に寄与。サイレントからトーキーへ移る過渡期の娯楽文化を象徴する楽曲のひとつとなり、ヴォードヴィル的なユーモアと都会的洗練を兼ね備えた“時代の音”として受け入れられた。タイトルの擬音は汽笛や別れの合図を想起させ、当時の移動・通信文化とも響き合う。

有名な演奏・録音

代表格はアル・ジョルソンの録音と、映画『ジャズ・シンガー』(1927)での披露。これによりポピュラー曲からステージ・ショウのキラー・チューンへと定着した。以後、伝統的ジャズのコンボやマーチング寄りのブラス編成まで広く取り上げられ、アップテンポのショウピースとして重宝。ディキシーランド系バンドによるライヴ録音も多数残り、クラリネットの軽妙なオブリガートやトランペットのストップタイム・ソロなど、アレンジの妙を楽しめる音源が多い。

現代における評価と影響

今日でもトラッド/ディキシー系セッションの常連曲で、古き良きアメリカ娯楽のアイコンとして映画・舞台の1920年代描写に頻出する。短いフレーズと明快な呼びかけ調が観客の手拍子や合唱を促し、入門的レパートリーとして教育現場でも扱いやすい。ヴォーカル版・インスト版ともに機能し、イベントのオープナーやクロージングで存在感を発揮する。なお、録音や楽譜の権利状況は地域により異なるため、利用時は最新版の法的情報を確認したい。

まとめ

「Toot, Toot, Tootsie」は、1922年に生まれアル・ジョルソンが広めた陽気なポピュラー曲で、現在はジャズ・スタンダードとして演奏され続ける。軽快な二拍感とキャッチーなコーラスが時代を超えて機能し、ショウのオープナーや観客参加型ナンバーとして最適。シンプルな旋律と和声が即興性も支え、入門から上級まで楽しめる懐の深さを持つ一曲だ。