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Way Down Yonder In New Orleans

  • 作曲: CREAMER HENRY,LAYTON TURNER
#ジプシージャズ
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Way Down Yonder In New Orleans - 楽譜サンプル

Way Down Yonder In New Orleans|楽曲の特徴と歴史

基本情報

Way Down Yonder In New Orleansは、作詞家Henry Creamerと作曲家Turner Laytonによる1922年のポピュラー・ソング。歌詞付きで発表され、のちにトラッド・ジャズやディキシーランドの定番として広く親しまれるようになりました。ニューオーリンズを称える内容と覚えやすい旋律が特徴で、ダンス・バンドから小編成コンボまで幅広い編成で演奏されます。発表年は1922年、初演・初出舞台の詳細は情報不明ですが、当時のシート・ミュージック時代に急速に広まった楽曲の一つです。

音楽的特徴と演奏スタイル

軽快で明朗な主題、はっきりしたフレーズの切り返し、スウィング以前の2ビート由来の推進力が魅力。トラッド・ジャズではコルネット(トランペット)、クラリネット、トロンボーンの三管が旋律と対旋律を交錯させ、ピアノやバンジョー、チューバ(あるいはウォーキング・ベース)が土台を支えます。テンポは中速からアップテンポまで幅広く、シンプルで親しみやすいコード進行がソロの即興を引き立てます。コーラスの反復とブレイクの配置で会場の一体感を生むナンバーとして機能します。

歴史的背景

1920年代はティン・パン・アレー由来のダンス音楽が大衆文化を席巻した時期で、南部都市ニューオーリンズはジャズの象徴的イメージとしてしばしば歌に取り上げられました。Creamer & Laytonは「After You’ve Gone」でも知られる名コンビで、本曲も同時代の流行歌らしい明快な構成と地名喚起力で人気を獲得。ラジオ普及とレコード市場の拡大を背景に、ダンスホールやレビュー公演を通じて標準レパートリー化していきました。

有名な演奏・録音

1922年にはBlossom Seeleyの録音がヒットとして知られ、当時のダンス・バンドにも広く取り上げられました。さらに1959年、Freddy Cannonのロックンロール・アレンジが全米チャートで上位(Billboard Hot 100で3位)を記録し、曲の世代的広がりを決定づけました。以後、トラッド・ジャズ系のライヴでは定番曲として演奏され続け、各地のジャズ・フェスティバルでも高頻度で採用されています。その他の個別録音の網羅は情報不明です。

現代における評価と影響

本曲は、ニューオーリンズの陽気さを即座に想起させる「テーマ音楽」としての力を保ち、入門者にも演奏しやすい構成から教育現場でも扱われます。シンプルなハーモニーと鮮やかな旋律は、編成やジャンルを越えて編曲しやすく、スウィング、ディキシー、ロックンロールまで横断的に生き残りました。映像作品での顕著な使用事例の体系的リストは情報不明ですが、地域イベントや観光PRなどでの採用例は散見され、文化的アイコンとして機能し続けています。

まとめ

Way Down Yonder In New Orleansは、1922年の誕生以来、ポピュラー・ソングとジャズ・スタンダードの両側面で愛されてきた一曲です。明快な旋律と陽性のムード、即興を活かせる構成が長寿の理由。歴史的背景と現代的な汎用性が交差する本曲は、ニューオーリンズの象徴であると同時に、アメリカ大衆音楽の普遍性を体現するレパートリーと言えるでしょう。